女性社員の昇進

8月6日の日経新聞女性欄の「外資系は社員ファースト キャリアも働き方も自分次第」から。

・・・英系ロバートウォルターズ・ジャパンの16年の調査では、女性管理職比率が20%超の国内の外資系企業は29.8%に対し、日本企業は11.9%だ。日本企業の課題は人事評価の方法自体にも見え隠れする。
「日本企業は社員を年次ごとに相対評価で管理する。これが女性の働きにくさの最大要因」とリクルートワークス研究所の石原直子主任研究員。「何年目の社員なら何をやっているはず、という“普通”を歩む社員の中から出世する人をふるいにかける」(同)ため、出産育児で「普通の社員」と同様の働き方ができなくなった女性はキャリアアップの道から外れがちだ。会社に在籍し続けていてもそうなのに、一度離職してしまった人はなおさらだ。

アクセンチュア戦略コンサルティング本部の植野蘭子マネジング・ディレクター(39)は夫の海外転勤に伴って国内メーカーを退職し、専業主婦になった。帰国後「もう一度働きたい」と就職活動を開始したが、日本企業は門前払いだった。一方で外資数社から内定を得て、アクセンチュアで働き始めた。
女性の復職を支援するワリス(東京・港)は「日本企業は年数に応じてクラスや賃金が決まることが多いため、ブランクのある人の再就職は難しい。外資は個人の仕事の範囲が明確で、満たすスキルがあれば年齢など他の要素は関係なく採用される」と植野さんの再就職を分析する。
今の会社に入社後、上司からの食事の誘いを部下が断っているのを見て植野さんは驚いたという。「上の言うことを断らないとか担当外の社内イベントの準備とか、フルコミットして総合的に評価されるのが日本企業」。その後アクセンチュアで低い評価がついたこともあったが「どれも明確に自分の仕事に対するもので納得できた。仕事だけに焦点をしぼれた」・・・