日経新聞「やさしい経済学」、守島基博・一橋大学教授の「毀損した日本企業の組織力」(3月22日の記事)の続きです。3月24日の「要の中間管理職に余裕なし」から。
・・・例えば、日本能率協会が2012年に行った調査によると、対象となった323社のうち89%の企業が組織力向上対策に取り組んでいると答えています。具体的な対策としては、従業員満足度調査、理念・経営ビジョン・経営方針の浸透、部門間・部門内の関係性向上、リーダーシップの強化などとなっています。
ただ、同時に明らかになったのは、組織力強化に取り組んだ企業の多くが、その効果を実感できていないということです。上記の調査でも、対策に取り組んだ企業のうち実に82%が、具体的な成果が出ていないと答えています。全体では約73%を占めています・・・
・・・多くの企業の話を聞いていると、もう一つの要因が働いているように思われます。それは中間管理職(ミドルマネジャー)の役割の変化です。組織力は基本的に職場のあり方に依存します。そのため、こうした組織力を維持または向上していくためには、現場リーダーである中間管理職の役割が大きくなります。
ところが肝心のミドルマネジャーは、組織力の維持・向上に取り組む余裕がない状況に置かれているのです。多くの中間管理職がプレーイングマネジャーの役割を与えられ、産業能率大学の11年の調査では、プレーヤーとしての仕事の割合が業務の半分を超えている人の割合は約40%となっています。これでは組織力の維持・向上に割く余裕はあまりないでしょう。
要となるべき職場リーダー(中間管理職)が、組織力の維持・強化に注力できる環境の整備が必要です・・・
なるほど。原文をお読みください。