月別アーカイブ:2026年7月

再利用市場

2026年7月9日   岡本全勝

日経新聞経済教室は、6月8日、9日と「拡大するリユース市場」を連載していました。8日は山本晶・慶応義塾大学教授の「販価値の可視化が変える消費」でした。
・・・リユース(再利用)市場とは、中古品や未使用品が再び売買される市場を指す。中古品市場の専門紙であるリユース経済新聞によると国内のリユース市場規模は2024年で約3.3兆円と推計され、15年で約3倍に拡大した。物価高やインバウンド(訪日外国人)需要の増加など複数の要因が絡み合い、市場は活況を呈している。リユース市場では、消費者が売り手としても買い手としても参加する。

市場拡大の理由のひとつは、中古品の売り手としての消費者行動の変化である。フリマアプリの普及や中古品買い取り店の店舗拡大により、消費者の家庭にある不用品を売却するハードルが劇的に下がった。
フリマアプリは、スマートフォン一つで家庭内の余剰資源の売却を可能にする。匿名配送や人工知能(AI)による出品サポートなどの機能拡張で、利便性はさらに高まっている。
また、中古品買い取り・販売店の店舗数が増大し、消費者の生活圏内にリユースとの物理的な接点が増加していることも、市場の成長をけん引している。こうした実店舗では梱包や発送の手間をかけず、外出のついでに不用品を持ち込んで簡単に現金化できる手軽さがあり、幅広い消費者の売却行動を後押ししている。
消費者が家庭内の余剰資源を売却するようになった背景には、それまで不明瞭だった衣類やバッグなどの中古価格が、自動車や不動産のように可視化されたことも大きい。

次に、リユース品の買い手としての消費者を考える。中古品は「生活防衛のための節約」と「お得に楽しむための探索」という2つの軸で消費者から選ばれている。前述のようなリユース品との接点拡大に加え、長引く物価高による家計の圧迫も相まって、新品よりも価格が安い中古品は生活防衛の手段として広く受け入れられている。
かつては中古品に対して汚れや不具合などの悪いイメージがあったかもしれないが、日本の中古品は品質が高い。実際、日本の中古品は「Used in Japan(ユーズド・イン・ジャパン)」と呼ばれ、海外の消費者から高い評価を受けている。中古でありながら傷などが少なく、新品に近い品質を保っているためである・・・

ホームページが復旧しました2

2026年7月8日   岡本全勝

ホームページが復旧しました」のその後です。
閲覧も加筆も問題なく、かつ素早くできるようになりました。ありがとうございます。

閲覧者数のカウンターの上がりが、激減しました。故障する直前の1日に4000とかは異常値としても、以前は1000を超えていたのが、150から300ほどになりました。
社長に聞くと、「見たページ数」で数える方式と「来た人数」で数える方式があり、前のカウンターは前者で、今回は後者だそうです。レストランで言うと前者が注文の数、後者は来店者の数です。かつ、同じ人だったら数えないようにしたそうです。
毎日、記事を2つほど掲載していたので、1人が見ると2回にはなります。しかしそれ以上に、1人の人が何度も見てくださってるということですね。

ハンガリー公共テレビ局「うそをおわび」

2026年7月8日   岡本全勝

NHKウェッブニュースに「ハンガリー公共テレビ局「うそをおわび」放送が黒画面に」が載っていました(7月8日朝)。潔いと言うべきでしょうか。

・・・ハンガリーの公共テレビ局は7日、黒い画面と文章を放送し、長年にわたりうそをついてきたとして謝罪したうえでニュース放送を一時的に休止すると明らかにしました。政権交代に伴い、メディアの刷新を掲げるマジャル首相の改革の一環とみられています。

ハンガリーの公共テレビ局は7日、放送が黒い画面に切り替わり、文章で「公共メディアはうそをついてはならない。長年にわたり、そのようなことを行ってきたことをおわびする」と告知しました。そのうえで「独立性と信頼性を確保するための改革の途上にある」として、ニュース放送を一時的に休止すると明らかにしました。

ことし5月に就任したマジャル首相は前のオルバン政権の意向に沿った報道をしていたメディアのニュース放送を停止する考えを示していたことから、今回の対応は改革の一環とみられています。
オルバン前首相のもとでは、政権に批判的な報道を行うメディアに対する圧力が指摘されてきました。
マジャル首相はSNSに「歴史的な日だ。公共メディアでのプロパガンダの放送はきょう終わった」と投稿し、公共ラジオ局の放送も停止したとしています・・・

ヴェトナム地方政府幹部研修

2026年7月7日   岡本全勝

今日7月7日は、政策研究大学院大学で、ヴェトナム地方政府幹部の研修「戦略的幹部研修プログラム」の講師に行ってきました。私の担当は、いつもの「リーダーシップと危機管理」で、東日本大震災の経験を話します。
外国の方に、通訳を入れてです。ヴェトナム語は、まったくわかりません。スライドを見てもらうことで、理解してもらうようにしています。
ヴェトナム各地から20人の幹部が参加しています。みなさん、熱心に聞いてくださいました。質疑も、充実していました。
日本に学ぶ幹部研修も重要ですが、日本を見て、日本びいきになってほしいです。
写真をつけておきます。

日本の保守、体系的思想より国家の威信

2026年7月7日   岡本全勝

6月16日の朝日新聞オピニオン欄「そもそも保守とは」、小熊英二・慶応大学教授の発言から。原文をお読みいただくこととして。
政治的対立を「保守対革新」として分析することはよく行われます。それが当てはまる場合もあるのですが、国や時代によってその内容は異なります。日本の戦後でも、変化してきました。安易に55年体制を基礎に考えることは、もはや避けなければなりません。アメリカでは、保守党はありません。イギリスでは、長い間、保守党の対立相手は労働党でした。国際政治では、保守対革新という構図は用いられません。政治的対立を思想の対立として捉えることもできますが、多くの場合はその下部に利害の対立があります。

―高市早苗政権は「保守強硬派」とも言われます。日本で「保守」とはどう定義できるのでしょう。
「保守とは相対的なもので、地域や時代によって変わります。共通の定義はできません。例えば、アメリカやヨーロッパ、日本といった地域でそれぞれ、保守の中身や結びつく争点は異なっています」
「国際プロジェクトの『世界価値観調査』からの分析では、ヨーロッパや北米では経済的争点が左右と結びつく傾向が強かったのですが、ほかの地域は必ずしもそうでなかった。東アジアでは家族に関する争点、国家の威信に関する争点と結びつく傾向があった。そして国家の威信では、冷戦との結びつきが大きな軸だったと思います」

―どういうことでしょうか。
「韓国や台湾の政党は、『アメリカとどういう関係をもつか』『自国は(北朝鮮や中国と対比して)どういう国なのか』で二大陣営に分かれます。日本も『アメリカとどういう関係をもつか』『日本は平和国家なのか』が争点で、それが日米安保や自衛隊、憲法9条に結びついていた」
「また1950年代の保守派の改憲論は戦前志向でしたから、家族や男女平等に関わる憲法24条も関係していた。『軍隊がないと一人前の国家ではない』という発言が男性の政治家からなされることも多かった。当時の護憲論は、こうした『国家の威信』や『家族の秩序』をめぐる争いで、それが結果的に『外交・安全保障』に分類されていた」
「第2次大戦後に形成されたこの争点が60年代以降も政党間の分岐を作っていて、経済は右・左を議論する基準になっていません。どの政党も減税と財政出動をセットで唱える傾向は明治期からあり、そこは今でも変わっていない」
「そもそも自民党や社会党という戦後の主要政党は、特定の明確なイデオロギーはなかった。はっきりしたイデオロギーや組織基盤を持っていたのは共産党と公明党だけでしょう」

―「革新」「リベラル」はどうみたらいいのでしょうか。
「日本の政党政治における『リベラル』とは『非共産党・非自民党』ということであって、体系的思想はなかったと思います。ただし10~20年ほど前までは、そこに『日本は平和国家であるべきだ』という要素もあり、日本の民衆の支持を得ていた。しかし世代交代が進み、この『平和主義』への支持は減少した」
「ただし日本政治における『保守』は、それ以上に体系的思想はなかった」