月別アーカイブ:2026年7月

渋谷区 ポイ捨てに過料 1か月で324件

2026年7月4日   岡本全勝

NHKウェッブが「東京 渋谷区 ポイ捨てに過料 開始から1か月で324件」を伝えていました(7月3日)。

・・・ごみをポイ捨てした人に対し、先月から罰則として2000円の過料を科している東京・渋谷区は、開始から1か月で過料を科した件数が324件だったことを明らかにしました。

渋谷区は、渋谷駅や原宿駅周辺の繁華街を中心に路上などでごみが増えていることを受け、先月1日から、ごみをポイ捨てした人に対し罰則として2000円の過料を科しています。区の職員などおよそ50人が24時間体制で巡回していて、区によりますと、過料を科した件数は、先月30日までの1か月間で324件だったということです。
場所は渋谷センター街や道玄坂の周辺が多く、年代別では20代や30代が半数以上だったということで、過料が科された人のほとんどはその場で支払いに応じたとしています。また、ポイ捨てされたごみで最も多かったのはたばこの吸い殻で、そのほかペットボトルや空き缶などがあったということです・・・

過料を定める条例はありますが、それを実行しないと、効果は限られるでしょう。特に一般の人に制限をかける場合は、取り締まりと徴収を行わないと無視されます。「条例に定めてあっても、違反しても大丈夫」だと。それはまた、ほかの禁止規定と罰則に悪い影響を与えます。

少し古本を処分13

2026年7月3日   岡本全勝

少し古本を処分12」の続きです。
古本屋に送った本の結果です。宅急便で送ってから5日後、向こうに到着して2日後に、査定結果が届きました。結果は次の通り。
送った冊数、131
買い取ってもらえた冊数、35
値がつかなかった冊数、96。これは古本屋が処分します。古紙になるのか。

買い取り金額は、合計1万6千円あまり。クーポンで2割増しとなって、約2万円でした。
ほぼ捨てるしかない古い学術書が多いので、35冊に値がついただけでも良しとしましょうか。
値付けを見ると、私の見立てとはまったく異なっています。この本が2000円になるのかというのもありましたが、ほとんどは300円程度。10円とかも多いです。星野英一、塩野宏、西尾勝先生などの本は買い取ってもらえませんでした。半世紀以上前の本ですから、そんなものでしょうか。悲しくなります。
私の思い入れと、世間での流通価値との差を思い知らされました。

福井ひとし氏の公文書徘徊14

2026年7月3日   岡本全勝

アジア時報』7・8月号に、福井ひとし氏の連載「一片の冰心、玉壺にありや?―公文書界隈を徘徊する」第14回「一五日あったらどう使う?─官吏暑中休暇のてんまつ」が載りました。今回は役人の夏季休暇についてです。

明治6年の公文書には、奏任(官)以上は15日以内、判任(官)以下は5日以内の夏休みを与えると書かれています。奏任官、判任官、そして雇の区分については、本文をお読みください。夏目漱石の「坊ちゃん」を引用した説明があります。
また8月中は8時出勤、12時退出とされています。結構、働いていませんね。現在より暑くなかったのに。もっとも、冷房もなかったです。
私が採用されたときに、事務室に冷房はあったのかなあ。いつ頃、冷房が入ったのでしょうか。後に残業していると、冷房が切られ、暑くなった記憶はあります。地下鉄に冷房が入ったのは、まだ最近です。とてもムシムシしたことは覚えています。

大正11年に、季節ごとに変動した勤務時間を統一します。平日9時~16時、夏は8時~15時。土曜日は9時~15時、夏は8時~12時。その決定に官僚から反対意見が出て、それも記録されています。

あとは本文をお読みください。戦前とつい最近まで、官僚は無定量の勤務が期待されていました。これらの勤務時間の規定と「無定量」との関係、そして勤務実態はどうだったのか。知りたいです。
脱線すると、天下国家を考えることと、労働を時間で売る(測る)ことは、整合性がとれません。経営者や学者にとっての勤務時間と同じかもしれません。

連載「公共を創る」第263回

2026年7月2日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第263回「これまでの議論ー平成の「小さな政府」志向」が発行されました。
平成時代の地域の変化のうち、市町村について述べています。国だけでなく、地方自治体でも、この間「小さな政府」を目指した行政改革で、予算と人員の削減を続けました。それは主に、事務の外部委託と非常勤職員への置き換えで行われました。企業では、不採算部門を廃止したり縮小したりできるのですが、自治体では法律に基づく事務など廃止できないものも多いのです。会計年度任用職員のうち常勤的な勤務の職員は70万人近くいます。その他の市区町村では、職員のうち実に3人に1人が非常勤です。これで、仕事がうまく回るのでしょうか。

自治体では早くから、庁舎警備、学校給食、ゴミ処理などの業務が民間に委託されていましたが、新自由主義的改革の思想の下、「民間活力の活用」という掛け声でさらに民間委託が進みました。現業業務でなく、企画を調査会社に委託することや、施設の工事も施工だけでなく設計段階から企業に委託することが広がりました。見方によっては「丸投げ」です。ところが、職員が考える機会が減り、成果物(企画書や設計図、完成したもの)を評価する能力も低下していると聞きます。発注内容そのものを企業につくってもらう例もあるようです。
民間業者に委託すると、組織内にその仕事についての経験と知見が蓄積しないのです。住民が利用する施設の管理等を任せることにより、住民との接触が減って、地域の問題を拾い上げる機会が減ったと指摘する自治体幹部もいます。行政改革の旗を振った一人として、反省します。

平成の初期(1990年代)は、改革の時代でもありました。選挙制度改革、省庁改革、分権改革、規制改革などです。戦後型の行政が行き詰まっている、その仕組みを変えなければならないという意識からです。
この間の、私の体験も書いておきました。男女共同参画と働き方改革は、「昭和の官僚」にとっては、コペルニクス的転回でした。また、改革のいくつかに参画しました。

なお、会計年度任用職員の数については、総務省のホームページに載っています。「令和7年度 会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果 (任用件数等)

平等ではトッププレーヤーは生まれない

2026年7月2日   岡本全勝

6月27日の読売新聞に「鈴木彩艶の身長伸ばすため「休養」増やしたコーチ、チーム内の反対意見に「平等ではトッププレーヤーは生まれない」」が載っていました。

・・・ガーナをルーツとする父と日本生まれの母の間に生まれた鈴木選手。Jリーグ・浦和レッズの下部組織に加入した小学生の頃から手足が長く、シュートへの反応も良かった。ただ、クラブにはプレー以外に心配なことがあった。
中学入学時の身長が約1メートル70だった鈴木選手について、クラブが両親の身長などから算出した将来の予想身長は1メートル80前後。GKは身長が大きいほどカバーできる範囲が広がり、ハイボールへの対応なども有利になる。「何もしないより、何かした方がいい」。杉尾さんが鈴木選手に提案したのは、身長を伸ばすために休養を増やすことだった。

チーム練習が週5日の中、中学1年の終わりから鈴木選手だけ休養日や、軽めのトレーニングだけで帰らせる日を設けた。チーム内には「平等ではない」という反対意見も出たが、杉尾さんは「平等ではトッププレーヤーは生まれない」と他のスタッフを説得した。
一方の鈴木選手は、練習開始1時間前にグラウンドに来て、自主練習してからチーム練習に臨むぐらいの練習好き。身長が求められることは理解しつつも、「ポジション争いで差が広がるのではないか」と不安を感じていたという。
結果的に、中学卒業時に1メートル80を超えた鈴木選手は、16歳で浦和レッズとプロ契約を結んだ・・・

平等を重んじるこれまでの日本社会への、良い警鐘です。