9月9日の朝日新聞「データでみる男女平等の現在地」1に、「平等まで「300年以上」、女性進出進まぬ日本」が載っていました。
・・・世界経済フォーラム(WEF)がまとめた2025年版「ジェンダーギャップ報告書」で、日本は148カ国中118位で前年と同じ順位だった。男女平等の達成に向けて、多くの国から後れをとっているという評価だ。なぜこのような順位になったのか、公開された指標を詳しくみていこう。
報告書で示されるジェンダーギャップ指数は、国ごとの男女平等に向けた達成度をWEFが設けた項目で数値化したものだ。男女が完全に平等な状態になれば、達成率は100%となる。
今年のトップは16年連続でアイスランドで、達成率は92・6%だった。一方で、日本の達成率は66・6%にとどまり、主要7カ国(G7)のなかでも唯一、上位100カ国に入ることができなかった。
報告書はジェンダーギャップを「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野に分けて評価している。このうち、日本の順位を下げている要因は「政治」と「経済」の二つだ。
分野ごとに日本の達成率をみていくと、「教育」と「健康」では世界平均を上回っているが、「政治」の分野で下位に沈んでいることがわかる。また、「経済」では世界平均と並んでいるが、先進国からは後れをとっている。
日本の課題は、20年近くにわたって達成率がほぼ伸びていない点だ。
ジェンダーギャップ報告書の作成が始まった2006年を振り返ると、日本の達成率は64・5%だった。今年は66・6%で、19年間で2・1ポイントしか改善していない。
今年の報告書では、日本は「改善のスピードが遅い国」として分類された。06年から調査が続く100カ国をみると、19年間で平均6ポイントの改善があり、日本は改善速度でも後れをとっている。
世界各国がいまのペースで改善を続ければ「完全な平等実現には123年かかる」と報告書は指摘する。だが日本だけをみれば、達成率を100%にするのに300年以上かかる計算だ・・・