6月10日の日経新聞夕刊「人間発見」、田村咲耶・MonotaRO社長の「優等生気質を超えてゆけ」第2回から。
2007年、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に入社したときの話です。
・・・1年目は企業をヒアリングして中期経営計画をまとめたり市場調査をしたりしました。文章の書き方や報告書のまとめ方など、上の人が最後までついて赤入れしてくれました。真面目でガッツも情報収集能力もある私は新入社員のエース的存在で、就職情報誌などにも取り上げられました。言われたことをきれいにまとめるのは得意だったのですね。
ところが2年目から評価が急落し、3年目は翻訳しか任されなくなりました。フットワークが軽くて情報は取ってきましたが、それ以上の判断や対応策などを示していなかったのです。電車で帰ることがほとんどないほど頑張ったのに評価されず、どんどん消耗していきました。
優秀な同期はプロジェクトリーダーの意図を理解した上で自分の頭で考えて仕事を進めていたのに、私は学生時代同様、量や暗記に頼っていました。ほとんどの同期がコンサルタントに昇格する中で私は昇格できません。コンサルタントとしては戦力外ということです。
いま思うと、3年目で「おまえの仕事のやり方はだめだ」と突きつけてくれたことに本当に感謝しています。真面目に良い点を取れるように頑張るだけでは、戦力になれないことを痛感したのです・・・