福井ひとし氏の公文書徘徊3

『アジア時報』6月号に、福井ひとし氏の「連載 一片の冰心、玉壺にありや?―公文書界隈を徘徊する」の第3回「官僚たちの「メルヘン」」が載りました。ウェッブで読むことができます。
今回は、城山三郎著『官僚たちの夏』(1975年、新潮社)の主人公、風越信吾のモデルとされる、佐橋滋・通産事務次官を、残された公文書からたどってみるという企画です。私もこの小説を読んで、官僚に憧れました。

へえと思うことが、いくつも書かれています。経済産業省が、旧会計検査院の建物に間借りしていた、経産省の場所には防衛庁があった。閣議に、課長が出席したことがあるらしい。通産省の決裁文書は、はんこや署名が下から上へ職位が上がっていくのではなく、上から下へ下がっていったこと。

佐橋さんの名前を高めた、小説にも取り上げられた(と記憶しています)、特定産業振興臨時措置法(特振法)の決裁文書も残っています。ところが、閣議決定文書の法案に紙が貼られて、修正されているのです。その経緯を、この記事では推測しています。ちなみに、この法案は成立せず、風越(佐橋)さんは「破れた」のです。小説は通産官僚の活躍ぶりを書いているのですが、結論は負けでした。
興味ある方は、お読みください。「福井ひとし氏の公文書徘徊2