5月12日の朝日新聞夕刊に「若手社員、電話が怖い SNS世代、退職するケースも」が載っていました。
・・・電話が嫌で嫌でしょうがない――。電話がプレッシャーで、若手社員の退職につながるケースもあるという。企業は電話の代行や研修を進めるほど。苦手な理由を本人たちや専門家に聞くと、SNS世代ならではの「責任感」が浮かび上がった。
「電話応対が嫌で辞める若手社員が増えて、困っている」。企業向けの電話応対研修を行っている「ドゥファイン」(東京都)には、そんな相談が相次ぐ。
同社は年間100社以上に固定電話の使い方や話し方の研修をする。「固定電話を初めて触った」と話す若手社員も珍しくない。
この春から都内で働き始めた公務員の女性(27)は「仕事でも、できることなら電話に出たくない」。自分が話せなくて沈黙が生まれることを恐れる。コンサルティング会社に勤めて4年目の女性(26)も「その場での判断が求められるため、取り返しのつかないことを言わないように、というプレッシャーがある」と話す。
「電話恐怖症」の著書があるカウンセラーの大野萌子さんは10年前、新入社員から「電話が嫌で会社を辞めたい」との相談を初めて受けて驚いた。その後、同様の声が年々増えているという。
若い世代は「言葉の責任感が強まっていると感じる」と大野さん。「思いもよらない一言がネット上で『炎上』する社会。普段の会話でも『これを言ってもいいのかな』と異常に気を使う傾向があります」。誰からの着信なのか、用件は何か、相手はどんな表情か――。電話は「分からない」要素が多く、「事前の情報がないことに対して怖がる人が多い」と大野さんは説明する・・・
10年ほど前に、大手企業の人事部長に聞いたことがあります。大卒新入社員を、研修所で1か月近く研修するのだそうです。「専門の法律などを教えるのですか」と聞いたところ、「何を言っているのですか。挨拶の仕方と電話の取り方、パソコンのキーボードの打ち方です」と笑われました。
学生時代には、きちんとした挨拶をしたことがない。家でも、そのような機会はない。
固定電話を、ほかの人の前で取ったことがない。漫画サザエさんで、カツオ君が廊下の黒電話を取るのは、昭和の風景です。
スマートフォンを使っているので、キーボードは使っていないのです。