東京大学出版会の宣伝誌『UP』に、画家の山口晃さんが「すずしろ日記」を連載しておられます。
5月号(第241回)は、新緑の鮮やかさが目に入り、さらに感覚器官の興奮を引き起こすことと、セザンヌがそれを絵の中に作り上げたことを書いておられます。そこに、次のような文章があります。
・・・ローソクの灯りを描こうと思ったら、逆算して灯り以外の暗さを描くしかないのだが、セザンヌのした事はそれに似ている・・・
あるものごとを分析する際に、そのものごとの内部を深く分析するだけでは理解できず、それが社会でどのような位置を占め、どのような影響を与えたかを分析する必要があることを思い出しました。「内包と外延、ものの分析」