「英語が日本共通語に?」の続きです。
私は、言葉は簡単に変わらない(私自身がずっと関西弁です)と考えていたのですが、考えを変えました。その理由は三つあります。
1つ目は、現実の体験です。
最近のテレビニュースを見ていると、沖縄の人も鹿児島の人も、ほとんど東京共通語を話しています。40年前に私が鹿児島に勤務したときは、言葉が通じなくて苦労しました。単語、アクセント、イントネーションが異なるからです。県教育長に「どれくらい練習したら、かごっま弁が身につきますか」と尋ねたら、「岡本さん、あきらめなさい。高校生までに鹿児島で育たないと、無理です」と教えてくださいました。
戦前から政府は、学校教育で方言をやめさせようと努力したのですが、なかなか変わりませんでした。それが、テレビなどの普及で、若者から言葉が急速に変わったのです(すると、関西弁は、いつまで生き残るでしょうか)。
禁止しても変わりませんが、憧れがあると変わります。5月19日の日経新聞が「方言、30年後ねぐなるんだが? 沖縄や北海道の8地域「消滅危機」」を書いていました。
NHKの朝ドラ2001年度前期は「ちゅらさん」でした。「おばぁ」が、東京人でもわかる程度の沖縄弁を話していました。2022年度前期の「ちむどんどん」になると、仲間由紀恵さんも、ほとんど東京共通語を話していました(私の偏見です)。
2つ目は、国際化が進み、英語が必須になりつつあるからです。小学校から英語を教え、大学生になれば日常会話や読書ができることが期待されています。京都のタクシー運転手や和風旅館の従業員も、英語を話しています。インテリだけでなく、普通の職場で英語が広がっているのです。
そして3つ目が、日本人の英語への憧れです。先に書いたように、新しい会社名や新製品名は、英語または英語もどきが多いです。紙の手提げ袋に印刷されている文字も英語。若者が来ているシャツに印刷されている文字は、日本語は見かけず(着ているとしたら外国人)英語です。野球やサッカー選手の胸に書かれている球団名も、ほぼ英語です。自動車の車名も、アルファベット。
ことほどさように、日本人は英語に憧れています。すると、方言から東京共通語に変わりつつあるように、英語に切り替わるのも早いのではないでしょうか。もちろん「文法が違う」との反対論が出るでしょうが。文法は学校で教えています。
これを考えれば、3世代あれば、日本語は英語に取って代わられるのではないでしょうか。私は、望んではいないのですが。100年後を見てみたいです。