連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第218回「政府の役割の再定義ー政策の大転換に必要な党内の支持確保」が、発行されました。
首相や各省が考えた政策が、与党の抵抗によって進まない場合があることを説明しています。その原因は、内閣の政策決定過程が政府に一元化されず、与党にも政策決定の仕組みがあり、与党事前審査を通る必要があるからです。
それを打破しようと挑戦したのが、小泉純一郎首相でした。「自民党をぶっ壊す」と唱えて総裁選に勝ち、それまでの自民党の政策を変える改革を進め、その際には党内の反対も押し切りました。経済財政諮問会議での議論と決定は、与党との調整なしに進められることが多かったのです。その頂点が、郵政民営化です。
このような政府・与党二元制や与党事前審査制度は、日本独特のようです。国会での審議を空洞化するような仕組みですから、議会制民主主義の思想からは理解しにくいでしょう。
この問題を解消するため、旧民主党は、政府・与党の一元化を目指しました。選挙や国会対策を指揮する幹事長と、政策責任者の政調会長を入閣させ、「政府・与党一元化」を目指しました。もっとも、すべてが実行されたわけではなく、また実行しても直ちに所期の効果を発揮したわけではありません。
各府省が作った法案を国会に提出できないことが起きる原因は、与党事前審査とともに、与党各機関での決定に全員の賛成を要するという「全会一致」という慣例です。