約8割が管理職になりたくない時代だそうです。日本能率協会マネジメントセンター「77%が「管理職になりたくない」」
しかし、この議論の立て方が、間違っているのではないでしょうか。
採用された社員や職員が全員、管理職になれるわけではありません。かつては、管理職になる社員・職員と、そうでない社員・職員は、採用もその後の配属と出世も異なっていました。上級職と中級職や初級職です。学歴と採用試験で、明確に分かれていました。典型は、軍隊です。将校と兵とは、はっきり区別されています。全員が管理職を目指すと、人事課も困るでしょう。
また、社員や職員が全員、職場に全てを捧げているわけでもありません。別に生きがいを持っている人、趣味を優先する人、家族の事情などで職場だけを優先できない人もいます。
大学卒が増えて、学歴による区分が機能しなくなり、他方で「平等主義」によって「差をつけない」ふりをしてきました。多くの人は出世したいでしょう。しかし、管理職は誰もができるような仕事ではなく、本来はそんなお気楽な仕事ではありません。
管理職を目指す競争は、本人の技能を磨く上でも有用であり、組織としても活性化するという利点があります。しかし、いずれ全員が管理職になれないことがわかります。その際の本人と会社側の対応が難しいのです。
冷たいことを言うようですが、それが現実です。
なおこのほかに、管理職とは名ばかりで、業務も変わらず負担が増えるだけ、給料も上がらないといった問題もあるようです。魅力がなければ、目指しませんわね。