国内モスク、150か所

1月11日の日経新聞に「国内モスク、25年で10倍」が載っていました。

・・・国内でモスクが増えている。2024年6月時点で全国のモスクは約150カ所と、25年でおよそ10倍になった。日本の人手不足を背景に在日イスラム教徒は増え続け、身近な存在となっている・・・

推計では、在日イスラム教徒はおよそ35万人、人口の350人に1人となります。35万人と言えば、和歌山市や奈良市の人口です。1990年には3万人弱、2005年では10万人ですから、急増しています。
ハラルフードの飲食店も増えています。学校給食も、対応しなければなりません。

連載「公共を創る」第211回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第211回「政府の役割の再定義ー恒例化している大型補正予算」が、発行されました。
前回は、日本の財政は極端に悪化しているのに、予想外の事態に対する財政出動の際に、赤字国債を上積みしていることを取り上げました。今回は、毎年、巨額の補正予算が組まれていることを取り上げます。

構造的な赤字の中でも、近年は景気対策や物価高騰対策として、巨額の当初予算と補正予算が組まれました。手法の非効率や政策目的のずれなどが指摘されていますが、最大の問題は、財源を確保しないままに支出されていることにあります。
岸田内閣も、経済対策や物価上昇対策(定額減税と電気・ガス料金補助)に大型予算を組むとともに、防衛力強化や少子化対策などの政策にも大きな支出を決めました。

石破内閣も2024年11月11日に、事業規模39兆円、一般会計予算額約14兆円の大型補正予算を決定しました。主な項目は、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保です。これらについても、財源は明示されないままに事業内容と規模が議論されたようです。補正予算の歳入は結局、約半分が国債です。

基金の多用も問題視されています。規模の大きさばかりが優先され、使われない金額が大きいのです。
そもそも補正予算が成立するのは12月や1月であり、行政実務からは3月までの年度内に執行することは難しいのです。

ペットボトル、円柱から角形へ

1月16日の朝日新聞に「ペットボトル、○形→□形 物流対策、形状を見直し」が載っていました。

・・・飲料メーカーの間で、ペットボトルを円柱形(丸形)から角柱形(角形)に変えるなどスリム化して、効率的に運べるようにする動きが広がっている。トラック運転手の残業時間が規制された「2024年問題」などで輸送力が減ることへの対策だ。ただ、ボトルのデザインは売り上げにも影響するため、判断に悩むメーカーもある。

サントリー食品インターナショナルは昨年2~5月、「サントリー烏龍(ウーロン)茶OTPP」「グリーンダカラ」「緑茶 伊右衛門 濃い味」の3商品について、600ミリリットル入りのペットボトルを丸形から角形に変えた。
ボトルの幅は丸形は7~7・2センチだったが、角形は6・4センチと細く、隙間なく詰められるため、24本入り段ボールの体積を約2割小さくできた。輸送時に使うパレット(台)に載せられる段ボールは35箱から45箱になり、トラック1台に積める数も増えた。
昨春には「サントリー天然水」の1リットル入りボトルも丸形から角形に変えた。これらの結果、輸送に必要なトラック台数を1割削減できたという・・・

『ブリュメール18日 革命家たちの恐怖と欲望』

藤原翔太著『ブリュメール18日 革命家たちの恐怖と欲望』(2024年、慶應義塾大学出版会)が、勉強になりました。

紹介には、次のように書かれています。
・・・ナポレオンが総裁政府を打倒し権力の座についたクーデタ「ブリュメール18日」。本書ではこのクーデタを、ナポレオンが独裁を志向した結果として捉えるのではなく、むしろフランス革命の成果を守るために、改憲派の革命家たちがナポレオンを権力の座に引き上げた事件として理解し、革命家たちの視点に立って考察する。革命期に発展した民主主義を、思いどおりに制御できなかった革命家たちが、まさにその民主主義のなかから権威主義体制を形成していく過程を、派閥の動向、憲法、選挙制度、地方行政の改革をとおして明らかにする・・・

国王を処刑して、封建制度を廃止し、民主主義を導入したフランス革命。ところが、いつの間にか、ナポレオンが皇帝になります。それだけを見ると、なんのための革命だったのと、????です。
子どもの頃に読んだ偉人伝には、必ずナポレオンが入っていました。でも、どのようにして、民主主義を目指した革命が、皇帝独裁に変化したのか、よく知りませんでした。
いかにナポレオンが天才で有能であっても、簡単に革命の成果を横取りすることはできません。彼を担ぎ上げた社会状況、政治状況があったのです。もちろん、担ぎ上げられるだけの人望はあったのです。ただし、その神輿に乗っているだけでは、皇帝にはなれません。そこからが、彼の知恵と腕の見せ所です。
この本を読んで、よくわかりました。

国際成人力調査、24歳で頭打ち

国際成人力調査、日本は一流」の続きです。喜んでばかりいられない分析もあります。12月11日の日経新聞「日本人の知力、24歳で頭打ち 「学べぬ大人」手薄な支援

・・・数的思考力の平均点を年齢層別でみると、若年層の16〜24歳(298.7点)が最も高かった。文科省担当者は「大学への進学率が上がり、より高度な学びに触れる機会が増えたことが背景にある」と話す。一方で25歳以降は低下の一途をたどった。

OECD平均は25〜34歳の層(272.7点)が最高点で、上位に名を連ねる北欧諸国もピークが日本より遅い。1位のフィンランド、3位のスウェーデンは35〜44歳の平均点が最も高く、同じく3位のノルウェーは25〜34歳がピークだった。
北欧諸国では、大学でのリスキリングへの経済的な支援が手厚く、学び直したい社会人向けに職務経験を評価する入試を行うといった取り組みも進んでおり、再教育を受ける人が多い。
21年発表のOECDの報告書によると、25〜65歳の仕事に関する再教育の参加率がフィンランド(56%)やスウェーデン(同)、ノルウェー(58%)では50%を上回った。OECD諸国の中でトップ層で、労働生産性も高かった。
リスキリングの先進地と呼ばれるスウェーデンは1974年に「教育休暇法」を制定。修学のために休暇を取得した場合、休暇前と同等の労働条件、賃金で復職することを保障する・・・

・・・一方、日本は出遅れが目立つ。再教育の参加率は北欧諸国を約20ポイント下回る37%で、OECD平均より3ポイント少ない。生産性は北欧諸国の半分程度で、37カ国中21位にとどまる。
企業の投資も見劣りする。厚生労働省が18年に公表した資料によると、日本の職場内訓練(OJT)を除く能力開発費は国内総生産(GDP)比で0.1%にとどまる。米国の2.08%、フランスの1.78%、ドイツの1.20%に大きく水をあけられている。
日本能率協会が23年1〜2月に約600社を対象に実施した調査では、リスキリングを「経営課題」と位置づける企業は76%に上ったが、「取り組みを始めている」という社は16%と低水準だ・・・