12月21日の朝日新聞夕刊「回顧2024 放送・芸能 時代とのズレ、蜜月の終わり?」から。
・・・「今までは我々が(生活者を)リードしていたけど、今度はフォロワーになってきた」。10月21日に放送されたNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」で、バブル期の代表的経営者として取り上げられたダイエーの中内功さんは、業績悪化に苦しむ1999年にこう語っていた。「我々」とはもちろん「ダイエー」を指すが、いまならテレビを中心とした「放送」もそうかもしれない。
と思っていたら、11月6日、全国の放送関係者が一堂に会す民放連大会で、遠藤龍之介会長(フジテレビ副会長)があいさつでこの番組に触れた。「我々にも耳が痛いものがあります。お客様の先を走っていれば、振り返れば細かい表情が読み取れますが、先に走るランナーの顔は見えませんから」
今年もいい番組はたくさんあった。それでも、広く人々をリードする力はどれだけあっただろうか。もはや個別の番組の問題ではなく、テレビと社会の蜜月期が終わりに向かっているということかもしれない・・・