年別アーカイブ:2024年

愛子内親王殿下、国立公文書館「夢みる光源氏」展へ

2024年5月12日   岡本全勝

愛子内親王殿下が初の単独公務として、国立公文書館「夢みる光源氏」展を視察されました。先日このホームページで紹介した展示です。

・・・星さん(国立公文書館調査員)によると愛子さまは、窺原抄の前では「湖月抄(先行研究)との関係はどうなのですか」と質問。星さんは「実はまだ研究段階なんです」と答えた。「更級日記」に関する史料では愛子さまが「ほかにも夢が出てくるところがありましたね」と話し、星さんは「そういえばそうだったなと思い出しました」と記者団に振り返った。・・・朝日新聞「愛子さまの鋭い質問にドキリ、初の単独公務 「夢みる光源氏」を視察

愛子さまは、日本古典文学が専攻でしたよね。
広く公文書館を知ってもらう、よい機会です。このような企画を仕掛ける関係者がいるのですね。

世界に広がる日本語「いきがい」

2024年5月12日   岡本全勝

4月23日の朝日新聞に「地球の反対側のにほんご:上 IKIGAI 海越えて、世界に広がる日本の心」が載っていました。

・・・「あなたの生きがいは?」
そう問われると、何を思い浮かべるだろうか。
「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい」。ハンセン病治療で知られる精神科医の神谷美恵子は、1966年の著書「生きがいについて」(みすず書房)でそう語る。続けて、「こういうことばがあるということは日本人の心の生活のなかで、生きる目的や意味や価値が問題にされて来たことを示すものであろう」と考察する。
ただ、生きる意味が問題になるのは、日本人の心のなかだけではない。いま、この「生きがい」という日本語は、世界でそのまま“IKIGAI”として広く使われるようになった・・・

・・・ “IKIGAI”の言葉が伝えられたのは、ブラジルだけではない。東京在住のスペイン人作家、エクトル・ガルシアさん(43)が16年に出版した自己啓発本“IKIGAI”は、米国など70カ国で、500万冊以上売れている。
ガルシアさんは04年に来日し、12年に日本人女性と結婚した。日本語を学ぶ中で、「わびさび」「もののあわれ」「生きがい」など、気になる言葉が次々と出てきた。スペイン語にはない言葉だった。

本の構想が生まれたのは13年ごろ。旅行に来た友人のスペイン人作家と神奈川県に行った。江の島を歩きながら「生きがい」について話すと、友人も同様に関心を持っていることが分かり、一緒に本を書くことになる。長寿の村として世界的に知られる沖縄の大宜味村にヒントがあると考え、2人は村に住み込んで住人ら100人に話を聞いた。
村の人々の「生きがい」の秘訣は、毎朝畑に出て自然に触れること、友人と会うこと、笑うこと、腹八分でいること――。難しく捉えることなく、「畑仕事」や「家族」など、ささやかな日々の暮らしに「生きがい」を見いだしていた。
村人の生き方を本で紹介すると、米国やインド、トルコといった国々で爆発的に売れた。ガルシアさんはこう話す。「政治や経済の状況が悪くなると、人生に悩む人も増える。だから今、『生きがい』が注目されているのだと思う。ぜひ、それぞれの『朝起きる理由』を見つけて欲しい」・・・

500万冊とはすごい。キリスト教文化圏では、生きる意味はキリスト教が教えてくれたからでしょうか。

用之則為虎、不用則為鼠

2024年5月11日   岡本全勝

難しい古典漢文の説明を続けている肝冷斎。時には、私にも分かる話があります。5月9日の「各自有時(山谷題跋)」。

「用之則為虎、不用則為鼠」「これを用うれば虎と為り、用いざれば鼠と為る」が出てきます。
漢の賢者・東方朔の言葉だそうです。「それを活躍させてやればトラにもなるだろう。活躍させないのならネズミになってしまうだろう」

個人を静かにさせれば安定し、活動させれば不安になる。尊敬されるように配慮するなら将軍にもなろうが、これを抑圧すれば捕虜になってしまう。持ち上げれば青雲のかなたにまで昇っていくだろう、だが、抑圧すれば深い淵の底に沈む。
こういうよい時代であれば、たとえ賢者がいたとしても、功績を立てるところはもう無いのだ。故に曰く―時代が違えば事態も違う。

しかし、活躍すべき場を与えられたのに虎にならず、猫になってしまう人もいますよね。

世界デジタル競争力、日本は32位

2024年5月11日   岡本全勝

人工知能の弊害」、マイケル・ウェイドIMD教授のインタビュー「AIの弊害、企業は責任ある行動を」の続きです。

IMDが64の国・地域を対象にまとめた23年の「世界デジタル競争力ランキング」で日本は過去最低の32位に沈んだ。日本がDXで巻き返すチャンスは残されているのか。

――日本のデジタル競争力は低下の一途だ。トップテン入りした韓国(6位)や台湾(9位)には差を広げられ、中国(19位)にも水をあけられている。
「日本は無線ブロードバンドの普及率が高く、学校における数学教育の水準も高い。32位という日本の順位には私も驚いた」
「時代の変化に対応するにはグローバルな動向に目を向ける必要があるが、日本では海外に比べ経営者や管理職の国際経験が著しく少ない。日本で働く外国人も、組織にうまく溶け込んでいるとはいえない状況だ」

仕組みの解説と機能の評価2

2024年5月10日   岡本全勝

仕組みの解説と機能の評価」の続きです。
多くの説明が「仕組みの解説」で終わっていて、「機能の評価」でないのは、次のような理由が考えられます。

制度が作られた際には、周知のためにも仕組みの解説が書かれます。また、新しいことなので、研究者もそれを調べます。他方で機能の評価は、一定時間が経たないと評価できません。どの時点で、どのような評価をするか。ありきたりな内容では、読んでもらえません。

もう一つは、仕組みの解説は、制度を調べれば書けます。研究室で、書かれたものを調べたら書けます。しかし、機能の評価は、制度を調べただけでは書くことはできません。その制度が当初の目的を達成しているのか、いないのか。いない場合は、その理由と改善策なども書く必要があるでしょう。
さらに、広くそれが影響を及ぼしている範囲を調べ、他者からどのように評価されているかも調べなければなりません。これは、広い目と労力が必要になります。
その3」に続く。