年別アーカイブ:2024年

インド、経済戦略の失敗

2024年5月20日   岡本全勝

5月6日の読売新聞「竹森俊平の世界潮流 インド 貧困・格差生む「結託」 持続的成長へ 悪弊断つ必要」から。

・・・インドの総選挙が始まった。14億人の巨大市場や2025年に経済規模で日本を抜く見通しになるといった話題で脚光を浴びる反面、貧困や格差など深刻な問題も山積する。持続的な経済成長に必要なのは何か・・・

<戦後の国民会議派政府の政策は社会主義を標榜し、非効率な産業を保護するため経済全体に規制の網を張り巡らした。これで輸出競争力が弱まり91年に経常収支危機が招かれると、政府はようやく規制撤廃に乗り出し、近年の成長率向上を生んだ>
この2008年当時は国民会議派のシン首相の政権下だが、規制撤廃を進めた政権下の04~13年を通じてインドは6・8%の平均成長率を達成する。

<しかし今や政府の介入を減らすだけで成長率が上がる時代は終わり、今後は〈1〉貧困層の失業〈2〉貧困層にとっての公共財の不足〈3〉富裕層による国有資産の収奪――というインド経済の三つの根本問題に政府が真正面から取り組まなければ、さらなる成長は望めない>
戦後、韓国、台湾、中国などアジア新興国・地域は初等教育という「公共財」を政府が充実させて労働力の質を高め、低技術で労働集約的な「繊維」などから高技術で資本集約的な「電機」「自動車」などに徐々に輸出の主軸を移す日本型経済モデルを採用し成功した。これに対しインドは、初等教育を疎かにして高等専門教育に力を入れ、重工業に投資を集中して一気に経済発展を目指す戦略を取り失敗する。

人口の多いインドでの雇用吸収力が弱い重工業への傾斜は、今日まで続く慢性的失業と貧困を生み、中国とインドとの経済格差をもたらした。購買力平価で換算した1990年の中国とインドの1人当たり国内総生産(GDP)はほぼ同じだったが、2023年の中国の1人当たりGDPはインドの2・6倍になった。初等教育という公共財を向上させ、国民の多くを労働集約型産業に吸収して失業と貧困を減らすことこそがインドの重要課題なのだ。

本家の再活用9

2024年5月19日   岡本全勝

このホームページで紹介してきた、明日香村にある本家の再活用。このたび、奈良県建築士会の「場を生むデザイン賞2023」最優秀賞に選ばれました。ありがとうございます。

この賞は、奈良県建築士会が「建築が主役ではなく、建築が背景となり地域の人々による等身大の活動と建築によって生まれる魅力的な場」を表彰します。かつては、景観デザイン賞といったようです。時代の変化によって、建物の意匠でなく、地域の人々の縁となる場、地域の人々が元気になる場へと考え方と対象を変えたようです。
このようなところでも、日本社会の成熟化、地域の活力低下が現れ、それへの対策を考えてくださっているのです。納得です。

受賞者は、伊藤立平建築設計事務所です。立派な事務所が関わってくださっていたのですね。
明日香村商工会「明日香スタンド」、「建て替えられる建物、3

人手不足

2024年5月19日   岡本全勝

5月4日の朝日新聞1面「人手不足「感じる」7割 不安の最上位「医療・介護」80% 朝日新聞社世論調査」から。

・・・朝日新聞社の全国世論調査(郵送)で、「人手不足社会」をテーマに尋ねたところ、以前と比べ人手不足を「感じる」と答えた人が69%に上った。人手不足の影響が不安な分野は「医療・介護」「物流・配送」などが上位だった。外国人労働者の受け入れを拡大する政府方針には賛成62%が反対28%を引き離し、賛否が二分した5年余り前の調査から大きく様変わりした。

人手不足を感じるかは4択で尋ね、「大いに感じる」が23%、「ある程度感じる」が46%で、「あまり感じない」は27%、「全く感じない」は2%だった。
この先、人手不足の影響が不安な分野を九つの選択肢から複数回答で選んでもらったところ、「医療・介護」80%が最も多く、「物流・配送」58%が続いた・・・
この項続く。

タンポポの綿毛

2024年5月18日   岡本全勝

タンポポの綿毛は、皆さんご存じですよね。軸の下に種がついていて、風に乗って飛んでいきます。子どもの頃、吹いて飛ばしました。
でも、あの花からは、想像もつかない形です。どのようにして、あの黄色い花びら(一枚が一つの花です)が、綿毛に変化するのか。綿毛が生育する姿など、見たことがありません。

先日から疑問に思って、道ばたの花を観察していました。花が終わった後、顎が閉じているように見えます。でも、よくわかりません。
インターネットで検索したら、よい映像がありました。NHKの教育素材です。「タンポポの花とたね
なるほど、こうなっていたのですね。黄色い花びらは、落ちてしまうようです。
植物の進化は素晴らしいです。神様でも、こんなことは思いつかないでしょう。

相続人のない遺産

2024年5月18日   岡本全勝

5月4日の日経新聞に「相続人なき遺産 10年で倍増」が載っていました。

・・・死後に相続人不在などの理由で国に入る「相続人なき遺産」がこの10年間で倍増した。金融機関で10年以上取引がない「休眠預金」の活用も増える。持ち主が不在のために、さすらう資産の行方を探った。

子や配偶者などの相続人を持たない人が遺言を残さず亡くなると、裁判所が選んだ相続財産清算人が債務を返済するなどして遺産を整理し、残りは国庫に入ることになる。この額が2022年度に768億円と、10年前の375億円から倍増した・・・

金融資産の6割以上を、世帯主が60歳以上の高齢世帯が保有しています。そして今後も、子どものいない高齢者が増えます。