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岸田政権の先送り負担増、年3兆円規模

2024年10月24日   岡本全勝

9月28日の朝日新聞に「先送り負担増、年3兆円規模 岸田政権の置き土産、次期政権は」が載っていました。
・・・自民党の新しい総裁に選ばれた石破茂氏は、岸田文雄政権が決めた年3兆円規模の負担増にも向き合うことになる。防衛、少子化対策、脱炭素化の三つの予算を大幅に拡充して事業が始まっているのに、国民に不人気の負担増は始まっていないからだ。
岸田首相は防衛費を5年間で段階的に増やし、2027年度は22年度比で3・7兆円多い8・9兆円にすると決めた。少子化対策でも、28年度までに国と地方の予算を3・6兆円増額する。さらに、脱炭素社会を実現するためとして、32年度までの10年間で20兆円を投じることも決めた。

これらの予算増は22年度以降、順次始まっている。計画通り進めば、三つの政策の予算は、合計で年9兆円程度増える。ただ、岸田政権は、既存の財源をやりくりするだけではまかなえないため、一部を新たな負担として国民に求めることにしていた。
防衛費増に対応するため、法人税、所得税、たばこ税で計年1兆円強の増税を打ち出した。遅くとも26年度までに始める方針だが、与党の反発で実施時期が決まらず、必要な税法の提出の先送りを重ねてきた。少子化対策では、社会保険料の引き上げで年1兆円をまかなう法律を成立させ、26~28年度に段階的に実施する。
脱炭素投資の財源は、28年度から化石燃料賦課金、33年度から有償の排出量取引制度を通じて集める方針だが、具体的な仕組みは未定だ。50年までに投資20兆円の全額を回収する予定で、単純計算で年1兆円弱の負担増になる・・・

10月3日には「増やした、使った、後は任せた 岸田政権、財源確保は3割」載せていました。
・・・岸田文雄政権が3年の幕を閉じた。この間、物価高対策と称して巨額の補正予算の編成を繰り返したうえ、当初予算も大幅に増やし、将来にわたる歳出増を決定的にした。歴代政権は深刻な財政状況に配慮し、一度増やすと翌年度以降に減らすのが困難な当初予算は、高齢化に伴う年金や医療費などの伸びに抑えてきた。その不文律をも破ったことになる。

朝日新聞は、当初予算のうち恒常的に使われる政策の予算(国債費を除いた政策経費)が、前年度に比べてどれだけ増えたかを検証した。元参院予算委員会調査室長の藤井亮二・白鴎大教授(予算制度)の助言を受け、消費増税対策やコロナ対策の予備費など一時的な要因を除いた。
分析結果によると、岸田政権は2023~24年度に計6・2兆円、当初予算の政策経費を増やしていた。防衛と少子化対策の予算を大幅に拡充したためだ。01年度以降でみると、09~10年度(7・0兆円)に続く規模だ。当時、自民党から民主党への政権交代があり、「バラマキ合戦」になった時期だ。
岸田政権は、別枠の特別会計を用い、年平均2兆円のペースで脱炭素化の支援策を増額した。これを含めれば、政策経費の伸びは09~10年度をも上回ると見られる・・・
・・・積極財政を掲げた安倍晋三政権でも、政策経費の伸びは、最大で19~20年度の3・2兆円にとどまる。高等教育無償化などを進めたためだが、消費増税により、支出増を上回る税収増を確保していた。
一方、岸田政権が打ち出した防衛と少子化対策の強化の財源では、将来の増税や社会保険料の引き上げで確保したのは、増やした予算の3割だけ。残りは、特別会計の剰余金など恒久財源とは言えないものばかりだ・・・

ベトナム政府幹部研修

2024年10月23日   岡本全勝

今日、10月23日は、政策研究大学院大学で、ベトナム政府幹部研修の講師を務めました。政策研究大学院大学がベトナム政府職員の研修を引き受けているので、何度目かの出番になります。
今日は、20人を超える人が熱心に聞いてくれました。質問も、鋭かったです。

ベトナム語は、発音も文章も全くわからないので、少々難しいです。私の講義は当時の写真などを写して説明するので、理解はしてもらっているようです。

毎日新聞に載りました

2024年10月23日   岡本全勝

10月23日の毎日新聞「衆院選 ピンとこない「防災庁」 複数政党公約 浮かんでは消え」に、私の発言が少し載りました。紙面とウエッブでは、表題が異なるようです。

・・・大災害が起きれば、国でも内閣府防災担当が緊急対応や、その後の復旧を担う。だが平時は防災計画の推進や普及啓発を役割としており、その規模は職員約150人、一般会計約70億円と一つの町程度。地域格差を補うには不十分という見方がある。
そこで浮上するのが防災庁構想だ。岡本全勝・元復興事務次官は「予算と人員を拡充して防災庁を作れば、国がより手厚く支援できるようになる。温かい食事の提供など避難所環境も充実するだろう」と話す。内閣府防災担当には局長級の統括官が1人しかいないため新組織での充実を提案する・・・

石巻広域圏で講演

2024年10月22日   岡本全勝

今日10月22日は、宮城県東松島市で「石巻地区広域行政事務組合」の研修講師を務めました。石巻市、東松島市、女川町の特別職及び管理職約230人が、集まってくださいました。
主催者からの要望は、市役所内で官製談合事件が起きたことから、組織内での不祥事をいかにして防ぐかです。それで、「管理職の必須知識-困ったことも起きる」という題で話しました。不正は起きてはいけないのですが、なくなりません。「総務省調査

職場での不正は、職員個人による横領や収賄などと、組織として行われる統計不正や不適正支出があります。前者は「害虫」に例えられ、後者は「カビ」に例えられます。害虫はつまみ出せば良いのですが、カビを根絶するのは難しいです。
それで、私が経験した事案や、報道を賑わした事例を取り上げ、どのようにして不正が起きるか、どのようにしたら防げたかを話しました、いずれにしても、難しい、元気の出ない話です。仕方ないですね。

かつての管理職研修は、部下を使って良い成果を上げましょう、部下を育てましょうということが主でした。しかし、職員全員が優秀な職員になるわけではなく、それは無理なことです。他方で、困った職員もいますし、普通の職員が失敗をしでかすこともあります。「優秀な職員を育てる」という「前衛の思想」とともに、「困った職員をどう扱うか」という「後衛の発想」も必要です。

この地域は、東日本大震災で大きな被害を受けました。発災直後から、何度も足を運びました。一緒に仕事をした方も、たくさんおられます。懐かしい顔と、久しぶりにお会いすることができました。

夫の海外赴任同行休職

2024年10月22日   岡本全勝

10月2日の朝日新聞「記者から「駐夫」、見えた日本社会 「海外赴任同行休職制度」、元共同通信・小西一禎さんが経験を本に」から。

東京・永田町で、政治の最前線を追いかけていた政治記者が、妻の米国赴任に同行するため仕事を休み、2児を育てる主夫に――。元共同通信記者の小西一禎(かずよし)さん(52)は今年、そんな経験をベースに「妻に稼がれる夫のジレンマ」(ちくま新書)を出しました。「駐夫(ちゅうおっと)」になって見えた、日本男性や日本社会、企業の姿とは?

――永田町の政治記者から米国で主夫。なかなかの転身です。
妻の赴任先に同行し、2017年12月から3年3カ月、米国で暮らしました。当初から、妻は1人でも当時5歳と3歳の子どもを帯同する考えでした。自分はどうするのか。決断を迫られました。
「マッチョ・オブ・マッチョ」な永田町に身を置いて生きていました。ジェンダー平等意識も低く、「ジェンダー? 女性がやっていることね」というレベル。
悩んだのは自分のことです。「俺のキャリアどうなるんだ」と。自分勝手この上ないですよね。一方で、妻が1人で子ども2人を育てながら異国で働くことは非現実的に思えました。最終的に背中を押したのは社内の「配偶者海外赴任同行休職制度」です。キャリアは中断するけど、職場に戻ることはできる。そう考え、男性として初めて取得しました。

――周囲の反応は?
肯定的な意見を言ってくれたのは女性記者や大学の友達、後輩の男性ですね。一方、私が「粘土層」と呼ぶ、長時間労働を当たり前とする昭和な価値観を引きずる男性群からは「あいつ、終わったな」といった声を間接的に聞きました。

――米国で不安がなかったとは思えません。
妻に依存する生き方に不安がありました。根源は、私の中の「男は仕事」という価値観。キャリアを中断し、収入が断たれることは「男から降りた」という認識でした。
ふさぎ込みましたよ。渡米翌年の3月、首都ワシントンで働く他社の記者の姿を見て、10日ほど起き上がれなくなりました。一方で、長時間労働と引き換えに、家事育児を免除されることを当然視していた自分に気づきました。
気持ちの波は次第になだらかになりましたが、焦りや不満を妻にぶちまけたことはあります。帰国後の自分のキャリアも気になり、難しかったですね。

――18年、SNS上で「世界に広がる駐夫・主夫友の会」を立ち上げました。会員は180人近くになったそうですね。
現地で日本人の「パパ友」と飲み会をしても、途中からは仕事の話になる。当然、入れないんです。同じ思いをしている男性がいると思い、会を作りました。今、各地で駐夫たちがリアルで交流しています。まさに私が求めていたものです。