年別アーカイブ:2024年

市町村職員中央研修所の職員募集

2024年11月27日   岡本全勝

市町村職員中央研修所でも、インターネットを使った職員募集を始めました。マイナビ転職を使いました。
我が研修所は、一般の方や学生には、あまり知られていない組織です。さて、インターネットの効果はどうでしょうか。

当研修所では年間約80本の研修を実施し、5000人の研修生を受け入れます。研修の講師は、各分野で日本一流の方々をお呼びします。そのカリキュラムを検討し、講師を依頼してと、ほかの組織ではなかなか体験できない業務です。
関心あって、良い人がおられたら、紹介してください。

御厨貴先生「少数与党時代の新秩序」

2024年11月27日   岡本全勝

11月12日の朝日新聞オピニオン欄、御厨貴先生の「少数与党時代の新秩序」から。

――下野した2009年以来となる自公過半数割れを受けて、少数与党の石破内閣がスタートします。歴史的にどのような意味を持つのでしょうか。
「15年ぶりといった時間軸では捉えられないことが起きようとしているのではないでしょうか。私には1955年の自由党と日本民主党の『保守合同』によって自民党が結党した時以来となる、日本政治の大きな変化の時を迎えていると思われてなりません。『石破政権は短命で終わる』とか『国民民主党は与野党のはざまで埋没するだろう』といった冷笑的な見方ではなく、久しぶりに日本の政治が創造的に変わるチャンスが訪れたととらえるべきです」

――自民党が力を持つ「55年体制」が揺るがされていると。
「政治家も官僚も学者もジャーナリストも、55年体制があまりに長く続いたので、それを所与の前提として考えがちですが、永遠に変わらない条件ではないのです。これから始まるのは新しい政治の手法、秩序、体制の創造過程だと思って見つめるべきです」
「実は、自民党は結党以来、このような少数与党政権を経験したことはないんです。2度下野をしましたが、それ以外の時期は衆院で多数を維持して政権を運営しました。ですから事前に与党で大事なことを決め、野党との関係は国会対策による日程調整で対処するということが70年近く続いてきました。内閣不信任案がいつ可決してもおかしくない、という緊張感のある国会の状況は誰も経験していません」

――これまでにも自民党は他党と連立を組んで難局を乗り切ったことがありました。過去とは何が違うのですか。
「全く違うと思いますよ。・・・
今回は何が違うのか。これまでは緊急時の連立相手になってきたのは、河野洋平氏や小沢氏など、かつて自民党に所属していたリーダーが率いた政党でした。ですから『表と裏』の使い分け、腹芸といった自民党経験者の仲間うちならではのコミュニケーションが可能な相手だったのです。あえて加えれば、政権を奪還するために組んだ94年から98年の社会党(のちの社民党)と新党さきがけとの連立でも、さきがけという自民党を離党した武村正義氏や田中秀征氏といった政治家が結成した政党の存在が重要でした」
「ところがいま協力を求めている国民民主党は玉木雄一郎代表をはじめ、国政で自民党に所属したことのない政治家の集団。これまでのパートナーとはまったく違う存在です。自民党と常設の協議機関すら設置しない。すべてを公開でやろうということでしょう。立憲民主党などの野党とも同じように協議をするという方針です。これまでの連立の経験や与野党の国対政治の発想は通用しません。これは自民党にとって恐怖だと思います」

――石破首相のことをかつて「伝道師だ」と評していました。
「細川護熙元首相のようなさっそうとした、スマートな人物ではありません。とても疲れて見える日本のおじさんです。でも30年以上混迷を続け、国際的にも埋没と地盤沈下が止まらないこの国そのもののような人物なのです。当面、この人物が日本の指導者として、米大統領に返り咲くトランプ氏をはじめ世界の指導者と会うのを見守ることになります」

読売新聞大阪版、防災庁構想

2024年11月26日   岡本全勝

11月25日の読売新聞大阪版減災面「防災庁 切れ目ない支援へ」に、私の発言が載りました。

・・・今後のポイントは新たに担う業務と組織体制だ。元自治官僚で復興庁次官などを務めた岡本全勝氏は、防災庁と現在の復興庁の統合を提案した上で、復興段階の被災地支援を、主要業務の一例として挙げる。「事前の防災・減災対策から発災後の復興に至るまで、切れ目なく対応できるようになるのでは」と指摘する。・・・

電気・ガス料金補助、過大に計上

2024年11月26日   岡本全勝

コロナ交付金、2割不用」の続きになります。11月7日の日経新聞は「電気・ガス料金補助、過大計上 昨年度、5700億円使われず 効果の検証も不十分」を書いていました。

・・・物価対策として電気・ガス料金を抑える国の補助金事業を巡り、2023年度予算で計上された3兆2527億円のうち18%にあたる5714億円が24年度に繰り越されていたことが6日、会計検査院の調べで分かった。予算が過大だった可能性がある。政策効果の検証も不十分で、事業計画全体の甘さが浮かび上がった。

電気・ガス料金向け補助金はロシアのウクライナ侵略などによる物価上昇の対処策として23年1月に始まった。企業や家庭の負担を軽減するため、電力・都市ガスの小売会社が値引きした分を補塡する形で国が支援金を配った。
検査院が執行状況を検査したところ、22年度に計上された3兆1073億円のうち、8割にあたる2兆5346億円が23年度に繰り越された。23年度は繰り越し分を含め3兆2527億円の予算を計上したが、5714億円は年度内に執行されず24年度に繰り越された。
制度を所管する資源エネルギー庁は多額の繰り越しが発生した理由について「年度内に小売事業者が値引きを行うための必要額を見込むことが困難で、事業を完了できなかった」と説明しているという。予算の見積もりが甘かった可能性がある。
検査院は事業の効果についても確認した。資源エネルギー庁は事業の進捗を確認する23年度当初の「行政事業レビューシート」で、補助金により各家庭の電気・ガス料金を18%抑えるという目標を掲げた。しかし実際の成果を正確に調べていなかった・・・

・・・電気・ガス料金の補助事業は再委託が繰り返される多重下請けの構造だったことも判明した。会計検査院によると、事務局に選ばれた博報堂から下請け企業への金額ベースの委託費率は7割を超え、さらに8割超が別企業へ再委託されていた。
検査院によると、博報堂は2022年11月から24年8月までの1年10カ月間、事務局の運営を担った。事務費319億円のうち、71%(227億円)が下請け8社への委託費用だった。
そのうち申請書類の審査業務やコールセンター対応など210億円分の委託先は同社子会社の「博報堂プロダクツ」だった。博報堂プロダクツは別の下請け5社に186億円分を再委託していた・・・

(追記)11月21日の読売新聞解説欄に、駒崎雄大記者の「「多重下請け」黙認 ずさん運営 電気・ガス補助金事業」が載っていました。
・・・コロナ禍や物価高といった生活を脅かす事態に対応する補助金事業でなぜ綻びが目立つのか。白鴎大の藤井亮二教授(財政政策)は「いずれも政治主導で慌ただしく実施が決まり、制度設計に緻密さを欠いたからではないか」とみる。
特に、経済産業省の外局である中企庁とエネ庁で多重下請け構造の確認不足が立て続けに問題視されたことからは、検査院の指摘を「軽視」する姿勢もうかがえる。与党などは20日、電気・ガス料金の負担軽減策を来年に再実施することで合意したが、巨額の公金支出を念頭に置き、後の検証に堪えうる精密な事業運営が求められる・・・

役所の事業執行の甘さには、原因があるでしょう。これらの予算は、事務的に十分な検討がないままに、いわゆる「政治主導」で決められたようです。時間的余裕がない上に、臨時に発生したこれら業務に十分な人員がそろえられていないのでしょう。担当職員たちの苦労が見えるようです。

関西大学で講義

2024年11月25日   岡本全勝

今日11月25日は、関西大学経済学部で講演をしてきました。林宏昭先生のお招きで、毎年話しに行っています。
今日の内容は、東日本大震災への対応と、そこで考えた町のにぎわいの3要素と、公私二元論から官共業三元論への転換です。
学生たちは、2011年の大震災当時は小学校低学年で、その実態を知りません。先生の助言で、当時の状況をスライドで説明することから入りました。スライドには出てこない悲惨な状況は、語りで補いました。出席した学生は、熱心に聞いてくれました。

朝の新幹線の窓から、雪をかぶったきれいな富士山が見えました。野山の紅葉はまだですね。
写真を送ってくださったので、載せておきます。