年別アーカイブ:2024年

判断遅い日本企業

2024年1月23日   岡本全勝

1月5日の日経新聞「「判断遅い」日本企業に警鐘」から。

・・・日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は2023年に友好協力50周年を迎え、24年は次の50年へ歩み出した。日本企業の東南アジア事業を巡る環境は急速に変わりつつある。日系と多くの合弁を手掛けるタイ財閥サハ・グループのトップは、中韓勢の台頭を念頭に「日本企業の判断は遅く、このままでは競争に負ける」と警鐘を鳴らす・・・

・・・日本企業は長期で信頼関係を構築する傾向があると評価した上で、事業運営では「従来のステップ・バイ・ステップを踏襲しており判断が遅い。(革新の)スピードが速い今の世界には合わない」と指摘した・・・
・・・日本企業の体質を変える鍵として、若い世代の登用を挙げた。「昔の世代は古い考えや経験を重視するが、現在必要なのは若い世代の新しい発想だ」と強調した・・・

節約か銭失いか

2024年1月22日   岡本全勝

先日、ある人から聞いた話です。わかりやすくするために、改変してあります。

建物が年月がたって、施設の改修が必要になりました。建物の3階と4階が対象です。1階ごとに工事をすると、それぞれ5千万円かかります。一度にすると1億円ではなく8千万円ですみます。足場を組んだりするので、別々に工事をするより一度にやる方が安くなります。
しかし予算査定では「経費削減」の号令の下、2年に分けて執行することになったそうです。

年度ごとに見るか、長期的、全体で見るかの違いです。

「ひきこもり」女性が半数

2024年1月22日   岡本全勝

1月4日の日経新聞夕刊に「ひきこもり 女性が半数」が載っていました。家に引きこもっていても、「家事手伝い」と思われていたこともあったようです。

・・・仕事や学校に行かず、家族以外との交流がほとんどない「ひきこもり」。これまでは男性が想像されがちだったが、女性も多いことがわかってきた。孤独を抱えながら家にいても「家事手伝い」などと扱われ、見過ごされてきた。こうした女性を対象に支援する動きも出るが、全国的にはまだ手薄。まずは入り口として当事者らが安心して支援の場と接点を持てる環境づくりが課題になる。
「女性についての相談がどんどん来る」。浜松市でひきこもりの支援活動を手掛けるNPO法人「てくてく」の山本洋見理事長は話す。活動を始めて20年近いが、これまでは相談の9割は男性に関してだった。
ところが2023年になって「女子会」を企画したところ、相談が多く寄せられた。山本さんは「ひきこもり当事者や家族の会を開いていれば、女性も来られると思っていたが違った。男性を恐れている女性も多い。女性向けの支援が必要だった」と話す。

・・・内閣府では自分の部屋から出ない、家から出ない、近所のコンビニなどには行く、といった人を「狭義のひきこもり」と定義する。自分の趣味に関する用事の時だけ外出する人は「準ひきこもり」で、こうした人と狭義のひきこもりとを合わせて「広義のひきこもり」と位置付ける。
23年3月に公表した調査では15〜64歳で広義のひきこもり状態にある人が全国に146万人いると推計された。そのうち、女性の割合は15〜39歳で45%、40〜64歳では52%だった。中高年では半数以上が女性ということになる。
調査方法が変わったため単純には比較できないが、前回18年調査では40〜64歳で広義のひきこもり状態にある人のうち、女性は23%だった。その前の15年調査をみると、15〜39歳で広義のひきこもり状態にある人の36%が女性だった・・・

雑誌「ウェッジ」2月号に載りました。

2024年1月21日   岡本全勝

雑誌「ウェッジ」2月号特集「霞が関の危機は日本の危機 官僚制再生に必要なこと」に、私の発言「明治型国家から成熟国家へ 求められる新たな行政手法」が載りました。4ページも取ってくださいました。1ページだけ、インターネットで読むことができます(試し読みの10ページ目)。

官僚という職業は、かつての高い評価から大きく低下しました。その時期に立ち会った官僚の一人として、反省も込めてその理由を説明し、対策も提示しました。今、連載「公共を創る」で議論している内容の要約になっています。編集部の方が、上手にまとめてくださいました。

ウェッジ」は、東海道新幹線のグリーン車で配られています。宣伝には、「東京―新大阪間の約2時間30分で読める Wedgeは東海道・山陽新幹線のグリーン車搭載誌でもあり、グリーン車を日々利用する政界・経財界のエグゼクティブリーダー、文化芸能・スポーツ関係者などのトレンドリーダー達が移動中の車内でお読みいただけるよう独自の編集を行っています」とあります。
私の主張が、社会の有識者の目に触れることは、ありがたいことです。

答えの出ない事態に耐える力

2024年1月21日   岡本全勝

1月3日の朝日新聞オピニオン欄、帚木蓬生さんの「答えを急がない力」から。

―帚木さんは「ネガティブ・ケイパビリティ」という著書で、負の能力の重要性を指摘していますが、どういう意味ですか。
「『答えの出ない事態に耐える力』のことです。世の中は明確な答えのある問題ばかりではありません。むしろ人間社会は、解決できない問題の方が何倍も多いのではないですか。先が見えず、どうしようもない不安に耐えながら、熟慮する。答えが出なくても問題に挑み続ける力こそ、ネガティブ・ケイパビリティです」

「これに対し、正の能力、ポジティブ・ケイパビリティは、答えをみつける問題解決能力をさします。学校教育もそうですよね。テレビでクイズ番組を見ても、記憶した答えを素早くはき出すことを競います。でも、多角的、長期的な視野でものを考えることも大事です。早く答えを出すと見落とすものがあるからです」

―どういうことですか。
「今ここに、理解できないものが出てきたとします。ヒトの脳はわからない状態に耐えられず、すぐにそれが何かを決めつけて、理解したつもりになろうとします。ノウハウ、マニュアル、ハウツーものが歓迎されるのは、悩まなくてもすむからです。だけど、そこには落とし穴がある。深い問題が浮かび上がらず、浅薄な理解にとどまってしまうのです」