年別アーカイブ:2024年

日本での政策の作られ方

2024年2月25日   岡本全勝

2月10日の朝日新聞に、元アマゾンでロビイストをしておられた渡辺弘美さんの話「ロビイスト、企業が政策を動かす」が載っていました。

・・・ 企業の立場から政策を動かす「ロビイスト」への注目が高まっている。巨大IT企業が国家をしのぐ影響力を持ちはじめるなか、政策をゆがめる恐れはないのか。政府と企業の関係はどうあるべきなのか。霞が関から米アマゾンに移り、ロビイストの草分け的存在として長年、日本政府と向き合ってきた渡辺弘美氏に聞いた・・・

―ロビイングとは何でしょうか。
「私は政府の認識や理解、行動を正しい方向、多くの人がそうだと思う方向に補正する作業がロビイングだと考えています。これを利益誘導と混同しているロビイストが多い。私はアマゾンという企業と、社会の利益が一致するときにだけ動いてきました。会社から『何とか政府を説得しろ』と言われて、『できません』と断ったケースもいくつもあります」

―日本でのロビー活動は欧米と違いますか。
「欧米と日本では政策のつくられ方が違うため、ロビー活動の方法は異なります。米国などでは議員が多くのスタッフを抱え、影響力のある法律をつくるケースが少なくない。日本は、ほぼ霞が関の中央省庁が法律の原案や細かいルールを作ります。我々ロビイストも、霞が関の方との関係づくりや情報交換が重要になります」

―ロビイングは必要なのでしょうか。
「政府が100%スマートなら、ロビイングは必要ないと思います。しかし現実はそうなっていません。役所の職員は与党や官邸から飛んでくるボールを拾うだけで精いっぱいです。一部の学者がいくつもの審議会や有識者会議を兼務し、法に基づき企業がつくった報告書を読んでいるのか怪しいときがあるし、発言にバイアス(偏り)がかかっているように見えるときもある。政策の透明性が高まり開かれたものになるのなら、ロビイストの活動を規制してもよいと思います」

―企業が影響力を強めすぎると、民主主義をゆがめることになりませんか。
「それはその通りだと思います。でも、ぜんぶ官僚と政治家に任せればよいのでしょうか。私はそうは思いません。企業以外の人たちの声も、もっと政治に届けることが答えになると思います。欧米ではNGO(非政府組織)や消費者団体が熱心にロビー活動をしています」

「威徳輝宇宙」

2024年2月24日   岡本全勝

清酒瓶に貼ってあるラベル、「酒票」と呼ぶのだそうです。「日本酒ラベル そのデザイン変遷の歴史」に書いてありました。この記事も、なかなか深遠なものがあります。

そこに、しばしば威勢のよい語句が書いてありますよね。「名声轟四海」「名声響世界」とか。すごいのを見つけました。石鎚酒造の「石鎚 純米吟醸 緑ラベル」です。
拡大すると読めるのですが、「威徳輝宇宙」です。
これまでに見たものは、せいぜい世界でしたが、これは宇宙まで広がっています。

かつて徳島県に勤務したとき、ぶどう饅頭という名物を知りました。その宣伝文句も、気宇壮大でした。「海越えて ほめられに行け ぶどう饅頭」です。
しかしこれも、宇宙までは届きませんね。

IMF、所得税減税の効果疑問視

2024年2月24日   岡本全勝

2月10日の日経新聞が「IMF対日経済審査、所得税減税の効果疑問視」を伝えていました。

・・・国際通貨基金(IMF)は9日、日本政府が6月に実施する所得税と住民税の定額減税について「成長に及ぼす影響は限定的と予想される」との見解を表明した。物価上昇率が日銀目標の2%程度に落ち着くと見込み、大規模な金融緩和を終わらせ、段階的な利上げに踏み切るよう促した。
年に1度の対日経済審査を終え、声明を公表した。
日本の財政政策に関して、厳しい見方を示した。経済が引き続き回復していることから、歳出抑制など引き締め策に軸足を移すべきだと提起した。
なかでも、岸田文雄首相が打ち出した所得税減税は債務状況を悪化させると指摘・・・
このほかにも、補正予算を毎年編成する慣行も、改めるべきだと訴えています。

至極まっとうな議論と思うのですが。
日本人、特に日本の報道機関などは、世界からの評価を気にするのに、このようなことは気に掛けないのですかね。自分に都合のよいことだけ、引用するのでしょうか。

ウクライナ代表団視察同行

2024年2月23日   岡本全勝

ウクライナ代表団への講義2」の続きです。代表団は今週、宮城県と福島県の被災地で復興への取り組みを視察しました。
私は、22日の双葉町を同行しました。副町長からの説明、町長との意見交換でも、たくさんの質問が出ました。言葉で説明することも有用ですが、現地を見てもらい説明を受けることはより効果的です。代表団からも、良かったと言ってもらえました。
NHK福島ニュース2月21日「復興のノウハウを学ぶ ウクライナ政府の幹部らが大熊町を訪問
福島中央テレビ2月22日「国の再建めざし…戦禍続くウクライナから視察団 震災からの復興の地・双葉町に学ぶ

その後、宿舎に戻って、振り返り会議を行いました。
ウクライナは、津波ではなくロシア軍によってですが町が壊されたことでは、津波被災地と同様です。住民が避難して、その後帰還して復興に取り組むことは、原発被災地と同じです。また、早く帰還できる地域と、時間がかかる地域があることも。
復興計画づくり、住民機関の条件、住宅提供、産業復興の方法などに質問が多かったです。日本の経験、私の説明が少しでも役に立つと、うれしいです。一日も早く戦争が終わり、復旧に取りかかれることを望んでいます。

22日の浜通りは、久しぶりの積雪でした。野山が真っ白、まさに花が咲いたようでした。Jヴィレッジに2泊しました。発災直後に、ここが第一原発対応の前線基地になっていたときに、首相と一緒に来たことを思い出しました。

国家ブランド指数、第1位

2024年2月23日   岡本全勝

2月9日の日経新聞「私見卓見」は、ナンシー・スノー、カリフォルニア州立大学フラトン校名誉教授の「日本はブランド力を生かせ」でした。

・・・アンホルト―イプソス社が毎年発表している「国家ブランド指数」で、昨年、日本が初めて60カ国中1位となった。このランキングは世界的にどのように認識されているかによって各国をランク付けするもので、フランスの市場調査会社イプソス・グループが6万人以上を対象に実施したインタビューに基づいている。
国家ブランドとは、単にその国の良い評判のことだ。特定の企業や人に良い評判や悪い評判があるように、国にも良い評判や悪い評判がある。日本の国家ブランドの将来性は高まっている・・・

日本が総合ランキングで1位になったのは、製品の信頼性と他国にはない魅力です。世界経済のリーダーという項目でも、総合2位です。
もっとも、スイスのビジネススクールIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」では35位です。政府とビジネスの効率性、上級管理職の国際経験、語学力、デジタル技術力が最下位に近いようです。

製品の信頼性が高いのはよいのですが、性能偽装のニュースが続くようでは、これも危ないです。