朝日新聞夕刊「現場へ!」、12月9日の週は「ホームレス難民」でした。
第1回の記事には、「母国を逃れた難民申請者たちへの支援や法制度は、他国と比べて非常に貧弱だと指摘される。昨年以降は、支援を受けられない人々が、路上生活になる姿も目立つ。申請者の現状を探った」とあります。
・・・着のみ着のまま、段ボールやベンチの上に横たわる。雨露を防ぐものは、何もない。
11月中旬、風が冷たくなった東京都心の公園で、7~8人の難民申請者が、寒さに耐えながら野宿をしていた。
今秋来日した、アフリカ出身の20代の妊婦サラさん(仮名)も、厳しい路上生活を経験した。30代の夫ラシッドさん(仮名)とともに、取材に応じてくれた。
(母国を出て)それから約2年間、近隣諸国や東南アジアを転々とした。そして、「人権を尊重する国」と聞いた日本にビザを申請し、一時滞在の許可を得て東京にたどり着いた。だが、日本では難民申請者が住居や食事などの公的支援をすぐに受けられるケースは、ほとんどない。
夫妻は一時期、都内の公園で寝起きする生活を余儀なくされた。妊娠していたサラさんは10日間ほど、ラシッドさんはおよそ1カ月。ラシッドさんは「妻はどんどん弱っていった。でも、どうしたらいいかわからなかった」。
夜中は想像以上に寒さが厳しく、眠れない。「食べ物もないから、長い時間ゴミ箱をあさり、食べられるものを探した。なかなか手に入らなかった」とラシッドさん。サラさんも語る。「体調がどんどん悪くなり、何度も倒れそうになった。とにかく、おなかにいる子の命のために生き延びなければ、とだけ思っていました」。語りながらあふれてきた涙を、布でぬぐった・・・
福祉国家日本で、こんなことが起きているのですね。
非営利団体が支援をしているようですが、十分に手が行き届いていません。