公園や道路沿いの桜並木で、赤くなった落ち葉がたくさん散っています。きれいですね。木々の紅葉はそれぞれに素敵ですが、私は落ち葉では桜が特に好きなようです。もう一つは柿です。なにかしら、心に染みるものがあるのです。
銀杏の落ち葉は黄色一色でそれなりにきれいですが、桜と柿の落ち葉は赤を基調としつつさまざまな色合いが含まれています。それが、よりきれいに見えるようです。でも、桜と柿以外にも赤い落ち葉は、たくさんあります。
もう一つは、子どもの頃に、桜と柿が身近にあったからでしょう。桜の木が家の前に3本あり、毎日落ちるたくさんの落ち葉をほうきで掃除をさせられました。柿は、おいしかったおやつの記憶でしょう。昭和30年代の明日香村には(日本中でしょうが)、今のようなチョコレートやクッキーといったお菓子はふんだんにはありませんでした。
プルーストなら、紅茶に浸したマドレーヌの香りで、子どもの時の記憶がよみがえります(『失われた時を求めて』)。