アメリカ企業、出社義務へ

9月18日の日経新聞に「アマゾン、社員に週5日出社義務付け」が、22日には「米企業に「出社強制」の波 大手6割が週3日以上義務付け」が載っていました。

・・・米アマゾン・ドット・コムは16日、世界の社員に原則として週5日出社するよう求めた。2025年1月に適用する。新型コロナウイルス感染拡大後、在宅勤務が続くなかで人員が急増した。企業文化に緩みが出たとみて引き締めを図る。米テクノロジー大手によるオフィス回帰の決定は他社にも影響しそうだ。

アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)が従業員宛てのメモを公開した。同氏は「過去5年を振り返り、オフィスで一緒に働くことの利点は大きいと確信している」と記した。社員同士が学び合ったり新たなアイデアを生み出したりするには、在宅勤務ではなく出社が効果的だと説明した。
アマゾンは新型コロナのまん延で事務系社員の大半が在宅勤務となったが、23年5月には週3日の出社を義務付けていた。コロナ前の週5日勤務に戻すと公表したのは、米テック大手では初めてとなる。米グーグルや米メタは週3日出社の社員が多い。

アマゾンには倉庫作業員らを含め、24年6月末時点で世界に153万人の従業員がいる。物流にかかわる従業員は出社が必須の業務が多い。今回の指示はオフィスで働く事務系や技術系社員を対象にしている。
本人や家族が体調不良の場合や出張中、エンジニアが集中できる作業時間を確保する際には例外を認めるが、これら以外では、従業員は出社を原則求められる。
アマゾンは西部ワシントン州シアトルと東部バージニア州アーリントンの2カ所にある米国本社では、フリーアドレスの採用をやめて固定の座席に戻すとも明らかにした・・・

・・・ただし、組織が急拡大するなかで、熱心に働かない社員が目立つようになったほか、中間管理職が必要以上に増える問題が起きた。コロナ特需が落ち着いて成長が減速した22年秋以降、本社部門を中心に計2万7000人の大規模な人員削減に踏み切った。人員を減らした後、働き方にもメスを入れるようになったのが現状だ。
アマゾンの週5日出社強制は「企業文化」を強固にする狙いという。ジャシー氏は「当社の独特な文化は、過去29年の成功の最も重要な要素の一つだ」と指摘した。在宅勤務を続けていては、社員の当事者意識の強さや素早い意思決定、倹約といったアマゾンの文化の維持が難しいと判断したという。
働き方と合わせて組織の構造も変える。25年3月末までに、管理職のマネジャーに対する現場担当者の割合を大幅に増やす。管理職の採用を増やした結果、組織に階層が増えたことを問題視した。
ジャシー氏は「意思決定会議のための事前会議に向けた事前会議」が開かれるようになったと指摘した。フラット化して会議や社内承認プロセスを減らし、素早く動けるようにする・・・