連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第198回「政府の役割の再定義ー官僚という職業を選んでもらうために」が、発行されました。
若者が公務員を選ばず、国でも地方自治体でも公務員が不足していることを議論しています。
役所はこれまで、人事政策を重要視しておらず、人事政策の専門家がいなかったと評価しました(第170回)。もちろん人事課長以下の人事担当者はいました。しかし、彼らの仕事は人事異動表を作成することが主で、職員の処遇や働き方の改善には積極的に取り組んでいたとは言えません。
土木、保健などに従事する職員について企業との奪い合いが起こっており、処遇が理由で官庁より企業が選択されることが起こっているようです。特に業務の電子化に関する専門家は、民間企業でも国際的に奪い合いになっているほどで、公務員として提示できる給与では太刀打ちできないのです。
外部委託にする方法もありますが、その仕事に通じた職員がいないと、発注と完成検査ができず、相手の言いなりになってしまいます。清掃や印刷など労力が主な仕事は、外注に向いています。しかし、業務の電子化は、プログラムを書くことは外注できても、何をどのように電子化するかの判断は、組織の業務に精通してなければできません。
公務員を若者に選んでもらえる職業にしなければなりません。しかしその問題の前に、日本全体の労働力不足があるのです。