アルファベット日本語再考

SNSって何のこと」の続きです。「アルファベット日本語、新聞表記」の再考です。

NHKのSNSの説明では、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムも「TwitterやFacebook、Instagramなど」と、アルファベット表記です。
SNSという言葉が日本語であることも考えれば、「日本語は、漢字、ひらがな、カタカナで表記する」と習いましたが、アルファベットも追加しなければなりませんね。日本語の表記は、漢字仮名交じりではなく、漢字仮名アルファベット交じりです。

国語学では、アルファベット表記をどのように扱っているのでしょうか。学校の国語の授業ではどのように、日本語の中でのアルファベットの使い方を教えているのでしょうか。ローマ字表記を教えますが、アルファベット表記はそれとは別です。
例えば縦書きの時は、どのように書くのでしょうか。そして、発音はどうするのでしょうか。ローマ字表記は、日本語の五十音に当てはめで、日本語として発音します。

しかし、Instagramは、/ɪnstəɡræm/(Oxford Learner’s Dictionariesによる)と発音するのでしょうか、インスタグラム/ɪnsutaɡuramu/と発音するのでしょうか。SNSも、英語だと、/es en es/という発音ですが、NHKのアナウンサーも含めて私たちは、/esu enu esu/と発音しているようです。

国語辞典も、単語を「あいうえお」で並べるだけではすまなくなりました。これについては、別途書きましょう。「頭は類推する。カタカナ語批判。3

よく眠ると成績、業績が上がる

7月25日の読売新聞夕刊に、柳沢正史・筑波大学教授の「眠り確保で日本は元気に」が載っていました。

柳沢  色んなデータにあるように、日本人って世界一睡眠不足で、私に言わせると、日本が元気がない原因は眠れてないから。これをなんとかしたい。それに尽きます。

――OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表したデータによると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分とされていますね。

柳沢  これは調査対象国の平均より1時間以上短い。調査結果を見てもわかるように、生産性が高く、リッチな国の人々はよく眠っている。

――1年に換算すると15日分も寝る時間が少ないけれど、それだけ日本人は勤勉に働いているといえませんか。柳沢先生と同世代の私の受験時代は、四当五落(4時間睡眠で勉強に励むと合格、5時間寝ると落ちる)という言葉がありました。

柳沢  科学知識が教えることは全く逆で、むしろ四落五当、いや、よく眠ったほうが記憶は整理され定着するので、七落八当といってもいい。最高のパフォーマンスを発揮するには十分な睡眠が必要。だから寝ると落ちるんじゃない。寝ないと落ちる。
まして、試験前の一夜漬けはとんでもない。徹夜明けの脳は、酒酔いと同程度まで機能が低下する。24時間戦うなんてあり得ませんよ(笑)。睡眠不足になると肥満や認知症など様々な不具合も招きやすく、いいことはない。

――充分な睡眠を心がける大谷選手が、すぐれたパフォーマンスを発揮しているのは理にかなっているんですね。

柳沢  はい。スポーツもただ練習するだけでは技能向上は頭打ちになる。そこで一晩寝ると次のレベルにいける。
寝る間を惜しんで働く人は要注意ですよ。本人は頑張っているつもりでも、寝不足では効率が悪く、作業時間がかかり、ますます寝る時間が削られる。悪循環に陥ってしまいます。

――日本人はなぜ、睡眠を重視してこなかったのでしょうか。

柳沢  頑張っていいモノを作ればもうかるという成功体験が親から子に伝わり、「寝るのを惜しんで頑張れ」「いつまで寝ているんだ」という価値観が生まれたように思う。でも、それは偽りの成功体験です、私に言わせると。
ここに面白いデータがあります。「NHK国民生活時間調査」によると、私の生まれた1960年の日本人は夜10時までに就寝する人が67%もいて、今より1時間多い、8時間13分寝ていた。
次第に遅寝になっていきますが、それでも高度成長期の日本人はよく寝ていた。寝る時間を削って頑張ったから経済成長したというのは誤った認識で、よく寝ていたからこそ高度成長があったと思っていいぐらいですよ。

制度改革の前に実態対応

仕組みの解説と機能の評価3」の続きにもなります。
連載「公共を創る」の主題は、日本社会が成熟し、行政の課題が大きく変化していること、それに日本の官僚制が追いついていないことです。ところが、実態は私の想定をはるかに超えて、変化しています。議論の前提としていた実態が変わり、政策や制度を変える議論では対応しきれない事態が出てきています。

例えば、地方自治制度です。地方自治法がその基本を定めています。社会の変化に沿って、制度改正を重ねてきました。大きなところでは、分権改革です。ところが、住民が減少して、自治体の存続が危ぶまれる地域が出てきました。高齢者が多く少人数では、行政サービスも提供できません。自治体がなくなれば、自治制度論どころではありません。

もう一つは、公務員制度です。これまでも、そして今でも、公務員制度改革や育成手法が主張されます。ところが、労働市場と職場の実態が大きく変わりつつあります。一つは職員が集まらないことで、もう一つは早期に退職する職員が増えたことです。国の役所や自治体は、あの手この手で職員を集めていますが、埋まらない職種もあるようです。まずは職員を集めなければ、仕事は進まず、育成どころではありません。
長期間続けてきた行政改革で、国も地方も職員を減らしてきました。その影響で、現場が疲弊しています。そのうえに、定数通りの職員数が集まらないと、さらに現場は人が足りなくなります。

制度改革議論の前提が変わり、これまでの制度論の延長では対応できません。コペルニクス的転回とも言えます。もっとも、少子高齢化はずっと以前から予想されていたので、現実的にならないと気がつかないとも言えます。

官僚長時間労働の原因、国会審議の答弁書作成

7月24日の朝日新聞に、「やめられないのか、答弁書 官僚激務「ブラック霞が関」」が載っていました。
・・・長時間労働が常態化し、「ブラック霞が関」と呼ばれる官僚の働き方。最大の原因は、国会審議の答弁書の作成とされる。しかし、そもそも政治家が質問を政府側に事前通告し、官僚が作った答弁書を閣僚が読み上げるという国会審議のあり方に問題はないのか・・・

・・・国会審議では長らく官僚が事前に議員から質問内容を聞き取る質問取りをし、通告内容を元に答弁書を用意することが常態化。内閣人事局が官僚の働き方を調査したところ、今年の通常国会中(2月5日~3月31日)、官僚が答弁を作り終えた時刻の平均は、委員会当日の午前0時48分。与野党は、官僚の負担軽減のため通告は「委員会2日前の正午まで」と申し合わせているが、ほぼ守られていない。委員会の2日前までに質問が通告されたのは1260件(50・4%)で、前日午後6時以降の通告は173件(6・9%)あった。
長時間労働が問題になる官僚の働き方は「ブラック霞が関」と呼ばれ、官僚離れが進む。官僚による答弁書作成はその最大の原因とされる。

しかし、参議院規則第103条は「会議においては、文書を朗読することができない。但(ただ)し、引証又(また)は報告のためにする簡単な文書は、この限りでない」と規定。原則的に文書の「朗読」は禁じられており、衆議院規則でも似たようなルールがある。にもかかわらず官僚任せの答弁はいつから始まったのか。
終戦直後、衆参本会議では議員同士が自由に意見を述べる「自由討議」が設けられた。田中角栄氏が「明朗なる政治、すなわちガラス箱の中での民主政治の発達助長に資すること大なり」と演説した。だが1955年の国会法改正で規定が削除。自民党一党優位による「55年体制」以降、官僚作成の答弁を読み上げる形式が定着していく。

原因の一つが自民党の「事前審査制」の導入だ。法案は自民党内で議論、了承を得たうえで、国会に提出されるようになった。学習院大学の野中尚人教授(比較政治)は「与党が国会論戦を回避するための仕組みで審議が形骸化した。国会は野党の抵抗の中で、与党が事前に党内で決めたものをただ追認する場となった」。
ただ、過去には官僚答弁からの脱却をめざす動きもあった。98年には、小沢一郎氏率いる自由党(当時)が、自民党と連立政権を組む条件として、閣僚に指示された官僚が答弁を担う政府委員制度の廃止を主張し、その後に実現。党首討論も導入された。
2009年に誕生した民主党政権も「政治主導」を掲げて答弁のあり方を見直そうとし、質問取りは政治家である政務官が担うとした。だが政権発足から1カ月ほどで平野博文官房長官(当時)が官僚に質問取りを要請したことが発覚。民主党政権は短命に終わって次の政権交代可能な政治状況が作られなかったこともあり、再び官僚任せの答弁は定着した。

一方、欧州諸国の議会は日本と異なる。日本と同じ議院内閣制の英国(下院)では、首相との討論では質問の事前通告はなく、閣僚への質問では通告不要の補充質問が認められている。フランスでも首相や閣僚に対する口頭質問では事前通告しない・・・

夏の電車は寒い

電車の冷房、きつすぎると思いませんか。
夏の前、まだ春のうちから冷房が入ります。朝などは、まだ25度前後でも冷房を入れます。車内でたくさんの人が乗ると、暑くなります。でも窓を開ければ、快適だと思うのですが。
7月から東京は暑い日が続きます。地下鉄丸ノ内線の寒いこと。「暑い」と苦情を言う人がいるのでしょうね。他方で寒いので上着を着たり、膝掛けをしている人もいます。暑さ寒さの感覚は、人によって異なりますから、全員が納得することはないのでしょう。

電車の冷房がきついと感じるようになったのは、中年になって新幹線に乗ったときです。夏の服装で、半袖シャツでした。
特急電車などで冷房がきついときは、車掌さんに言って、緩めてもらうこともありました。新幹線は長時間乗っているので、寒さが応えます。新幹線では長袖のシャツ、上着が必須です。

環境省はかつては28度を推奨しましたが、最近はやめたようです。車内温度を何度に設定しているのでしょうね。鉄道会社は地球に優しくないです。