官僚の給与の低さ

8月9日の日経新聞「公務員給与、若手に重点 深刻な官僚離れ対応 賃上げ率なお民間と差」から。

・・・「キャリア官僚」と呼ばれる総合職を志望する学生は大手企業と併願するケースが多い。例えばトヨタ自動車の初任給は24年4月入社の新入社員(学部卒)から25万4000円、日立製作所は25万円とそれぞれ大幅に引き上げた。
国家公務員も総合職の23万円という初任給だけみれば大企業並みの水準だ。それでも全体の賃金水準はなお隔たりがある。

就活生に人気の高い総合商社5社の平均年収はいずれも1500万円を超え、三菱商事は23年度に初めて2000万円台(平均42.7歳)になった。日立も国内従業員の平均年収が935万円(平均42.9歳)に達する。
人事院によると、勧告を適用したモデル給与では35歳の本省課長補佐の年間給与(ボーナス含む)は756万8000円だった。官舎などの福利厚生があり、単純には比べられないものの、著名企業との比較では心もとない面がある。
人事院は新卒採用と並んで経験者の中途採用を重視する。中途採用でも民間との競争が激化しており、不利になる可能性がある。
勧告は民間給与との均衡を重視する。具体的には従業員50人以上の企業の給与水準をみて決める。キャリア官僚を志す学生らが比較対象とするような大企業との給与差を十分に反映できない制度上の限界がある・・・

公務員の給与は、民間の平均を見て決めます。その際の対象が、従業員50人以上の企業です。しかし総合職(かつての上級職)は、東大をはじめとする「有名校」出身です。大銀行や大会社などに就職した大学時代の友人と比較すると、情けなくなります。公務員の方は、難しい筆記試験もあります。
もちろん、若手が職業を選ぶ際には、給与などの待遇だけでなく、仕事のやりがいがあります。しかしその点でも、近年は低下しているようです。このままでは、優秀な若手は官僚を選ばないでしょう。