「仕組みの解説と機能の評価3」の続きになります。かつて、「内包と外延、ものの分析」を書いたことを思い出しました。
・・・あるものごとを解説したり分析する際に、そのものごとの内部を深く分析します。これを内包的分析と呼びましょう。もう一つは、そのものごとが社会でどのような位置を占め、どのような影響を与えたかを分析します。これを外延的分析と呼びましょう・・・
連載「公共を創る」で官僚論を書いていて、再度このことを思い出しました。
官僚や公務員を論じたり分析したりした本や論文、さらに行政を分析した本はたくさんあります。それはそれで有用なのですが、ほとんどが公務員制度、役所の中を分析しています。
私が連載で心がけているのは、社会において行政機構や官僚がどのような役割を果たしているかです。なぜ、官僚への信頼は低下したか、日本社会の課題(経済停滞と社会の不安)は解決しないのか。内包的分析ではそれはわからないのです。外延的分析が必要です。
例えば今、新聞について書くとしたら、紙面の記事、記者、取材、編集、社の経営だけを分析しても不十分でしょう。なぜ発行部数(購読者数)が減ったか、外部環境について書かないと新聞の機能を説明したことになりません。「位置づける」