靴磨きの指導を受ける

しばらく前のことです。通勤に履いている靴の一つの中敷きや紐が傷んできたので、近くの靴修理屋に持っていって、相談しました。店主とはなじみなので、「かなり傷んできたけど、まだ修理して使えますかね」と。

おじさん曰く「お客さん、人を相手にしているのでしょ。もう買い換えなさい」とのご宣託。私の職業は言ったことがないのですが。
傷んだ皮を指して、「どのような手入れをしていますか」と聞かれました。「いや~、ほとんどほったらかしですわ」と答えると、「液体の靴クリーム、スポンジがついた容器で塗っているのですか」と、図星の指摘。「塗り重ねて磨けばよいのでしょ」と言って、叱られました。
「女性の化粧と同じで、いったん古い化粧を落としてから、改めて塗るのです。そうしないと、汚れをすり込んでいることになります」
わかりやすい説明でした。「まずはクリーナーで汚れを落としてから、クリームを塗るのです」「こうすれば10年でも20年でも持ちます」

そういうことだったのか。この歳になるまで、知りませんでした。親から、「足もとを見られる」という言葉があるから、靴はきれいなものをはけと言われて、それは守ってきました。ただし手入れについては、「まあいいや」とずぼらを決め込んでいました。家の下駄箱を見たら、クリーナーもクリームもブラシもありました。ひょっとしたら、息子が置いていったものかもしれません。それで、教えられたことを実践しています。

知人の何人かに「あんた、靴をどのように磨いているの」と聞いたら、みんなきちんとやっていました。う~ん、私だけが、ずぼらだったんだ。
若いときは、数年で履きつぶせばよいわとも思っていました。料理屋に上がることも多く、きれいな靴を履くようには気をつけていましたが。秘書官などをすると、ゆっくりと紐を結んでいる時間はなく、紐靴は履けませんでした。服装とともに、無頓着でした。その後、服装や帽子には気を遣うようになったのですが、靴の手入れは盲点でした。反省とともに書いています。遅いわ。

トランプ氏裁判、陪審員の顔ぶれ

アメリカの前大統領トランプ氏が陪審員による裁判で有罪になったことを、各紙が大きく報道していました。5月31日の日経新聞「トランプ氏裁判、評議開始 陪審員12人、全会一致で結論」に、陪審員12人の顔ぶれが紹介されています。詳しくは記事についている表を見ていただくとして。男女の別、職業、日常の情報源や発言が載っています。

陪審員長は、営業職の男性、ニューヨーク・タイムズやFOXニュースを見ているとのこと。FOXニュースは、共和党寄りだったと思います。
そのほかの人たちは、投資銀行員の男性、企業弁護士の男性、情報エンジニアの男性、英語教師の女性、情報エンジニアの女性、法務担当の男性、元ファンドマネジャーの男性、言語聴覚士の女性、ネット販売企業社員の男性、アパレル企業勤務の女性、理学療法士の女性たちです。
ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストを読んでいる人が多いですが、SNSは使わない(企業エンジニア)人もいます。

森林環境税に思う

今年度から、森林環境税が創設されます。この税金は国税ですが、地方税(住民税)と一緒に市町村が徴収します。年額1000円です。「こんな税金が作られるとは知らなかった」という人も多いでしょう。

実は、この新税・増税にはからくりがあります。東日本大震災の費用を賄うため、所得税、法人税、住民税に上乗せをお願いしました。法人税部分は、景気対策のため早々と停止したのですが、住民税の上乗せ(県税が500円、市町村税が500円、合わせて1000円)が、2023年度で終わったのです。復興増税をお願いした立場として、お礼を申し上げます。

で、この増税部分を引き継ぐ形で、この森林環境税が導入された(振り替えられた)ようです。納税者の負担額は変わらないのです。例えば役場のホームページにわかりやすい表が載っています。
インターネットでは「ずるい」という書き込みもあるようです。

財政関係者としては、よく考えたと思います。しかし、使い道はほかに考えられなかったのでしょうか。例えば、子ども子育ての費用です。この国会で法律が通りましたが、増税せず、社会保険料から拠出します。森林対策も重要ですが、市町村長に聞けば、森林より子ども子育てに使いたいという人が多いでしょう。特に都市部では、対象とすべき森林が少なく、使い道に困っているという話もあるようです。

個別個別の政策を見ると正しいようでも、全体を合わせてみると変な場合があります。それを防ぐために、経済財政諮問会議がつくられたのですが。もし経済財政諮問会議で議論していたら、この財源はたぶん子ども子育てに使われたでしょう。

非国家組織、2億人支配

5月31日の日経新聞1面連載「Polar Shift サウスの論理(5)」は「非国家組織 世界揺るがす 2億人支配、旧秩序に牙」でした。

・・・「無政府状態に陥り、ハマスが再び台頭する可能性がある」。ブリンケン米国務長官は5月12日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスを攻撃するイスラエルに懸念を示した。
イスラエルはハマス壊滅を誓うが、戦闘終結後に誰がガザを統治するのか明確にしていない。後ろ盾の米国は、戦後構想なきガザでハマスが支配者に居座り続けるシナリオを恐れる。
ガザ住民も国際的に認められたパレスチナ自治政府ではなく、ハマスに頼る人が多い・・・

赤十字国際委員会の推定では、国家ではない武装組織の支配下で暮らす人々は2023年夏時点で世界に1億9500万人だそうです。450以上あるこうした武装組織のうち、41%が徴税し、25%が司法・紛争解決の仕組みを持ち、16%が医療を提供しているそうです。
日本の室町時代、幕府が任命した守護の統制が及ばず、力のあるものが地域を支配したようなものでしょうか。

情報セキュリティ研修

先日、市町村アカデミーで職員向けの情報セキュリティ研修を実施して、私も参加しました。詐欺メールは、学長だからと言って遠慮してはくれませんから。

今回の講師は、行政現場に詳しい方です。一般論でなく、これまでに起きた事故、引っかかった事案を説明してくださったので、わかりやすかったです。「へえ、こんなことが起きるのだ」と感心してしまいます。成功事例より失敗事例の方が、身につきます。

組織としては最先端の仕組みで「防御」していますが、攻撃側の進化はとどまりません。隙を突いてやってくる攻撃には、職員それぞれが対応しなければなりません。さらに、内部から問題が起きることもあります。これは電子化の問題ではなく、職場の働き方の問題です。