靴磨きの指導を受ける

しばらく前のことです。通勤に履いている靴の一つの中敷きや紐が傷んできたので、近くの靴修理屋に持っていって、相談しました。店主とはなじみなので、「かなり傷んできたけど、まだ修理して使えますかね」と。

おじさん曰く「お客さん、人を相手にしているのでしょ。もう買い換えなさい」とのご宣託。私の職業は言ったことがないのですが。
傷んだ皮を指して、「どのような手入れをしていますか」と聞かれました。「いや~、ほとんどほったらかしですわ」と答えると、「液体の靴クリーム、スポンジがついた容器で塗っているのですか」と、図星の指摘。「塗り重ねて磨けばよいのでしょ」と言って、叱られました。
「女性の化粧と同じで、いったん古い化粧を落としてから、改めて塗るのです。そうしないと、汚れをすり込んでいることになります」
わかりやすい説明でした。「まずはクリーナーで汚れを落としてから、クリームを塗るのです」「こうすれば10年でも20年でも持ちます」

そういうことだったのか。この歳になるまで、知りませんでした。親から、「足もとを見られる」という言葉があるから、靴はきれいなものをはけと言われて、それは守ってきました。ただし手入れについては、「まあいいや」とずぼらを決め込んでいました。家の下駄箱を見たら、クリーナーもクリームもブラシもありました。ひょっとしたら、息子が置いていったものかもしれません。それで、教えられたことを実践しています。

知人の何人かに「あんた、靴をどのように磨いているの」と聞いたら、みんなきちんとやっていました。う~ん、私だけが、ずぼらだったんだ。
若いときは、数年で履きつぶせばよいわとも思っていました。料理屋に上がることも多く、きれいな靴を履くようには気をつけていましたが。秘書官などをすると、ゆっくりと紐を結んでいる時間はなく、紐靴は履けませんでした。服装とともに、無頓着でした。その後、服装や帽子には気を遣うようになったのですが、靴の手入れは盲点でした。反省とともに書いています。遅いわ。