5月3日の日経新聞「私が考える憲法」、大田弘子・政策研究大学院大学学長の「財政再建、改憲ありきに反対」から。
ー日本国憲法は第7章で財政について定めます。様々な立場で政策決定に関わり、憲法にどんな問題意識がありますか。
「憲法に財政規律条項を入れるべきだとの主張がある。日本の財政規律が弱いのは憲法に問題があるからではない。財政規律を維持しようとする政治的意思が弱いからだ。1997年に(歳出削減目標などを示す)財政構造改革法ができたが、翌年停止になった。景気がよくなってから復活させる動きもなかった」
「今のままでは、たとえ憲法が改正されたとしても財政状況は変わらないだろう。やるべきなのは5年程度の中期で予算や財政を管理することだ。危機感が薄くなり視野が短期的になっている」