用之則為虎、不用則為鼠

難しい古典漢文の説明を続けている肝冷斎。時には、私にも分かる話があります。5月9日の「各自有時(山谷題跋)」。

「用之則為虎、不用則為鼠」「これを用うれば虎と為り、用いざれば鼠と為る」が出てきます。
漢の賢者・東方朔の言葉だそうです。「それを活躍させてやればトラにもなるだろう。活躍させないのならネズミになってしまうだろう」

個人を静かにさせれば安定し、活動させれば不安になる。尊敬されるように配慮するなら将軍にもなろうが、これを抑圧すれば捕虜になってしまう。持ち上げれば青雲のかなたにまで昇っていくだろう、だが、抑圧すれば深い淵の底に沈む。
こういうよい時代であれば、たとえ賢者がいたとしても、功績を立てるところはもう無いのだ。故に曰く―時代が違えば事態も違う。

しかし、活躍すべき場を与えられたのに虎にならず、猫になってしまう人もいますよね。