連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第181回「政府の役割の再定義ー管理職が果たすべき「役割」とは?」が、発行されました。
前回から、管理職の育成について議論しています。これまでは、優秀な職員の中から管理職を選んできました。しかし、それではうまくいかなくなりました。
管理職には、非管理職とは異なった職責があり、違った能力が求められます。前任者と同じことをしておればすむのなら、上司のやり方を勉強した職員が管理職を務めることができました。しかし、新しい仕事に取り組むときや、これまでにない問題が生じると、そのような育成方法では対処できません。例えば、困った部下がいる場合の指導方法は分かりません。部下の能力評価の仕方も、教えてもらっていません。
職員の中から管理職を選ぶという「昇進競争」は、部下に忠誠度を競わせる仕組みでもあります。上司に気に入られないと、出世できません。また、一握りの「勝ち組」の陰に、多くの「負け組」を生む仕組みです。負け組だけでなく、そのような競争に参加しない職員も居づらい職場です。