高校生、まじめ化進み安定志向に

2月20日の日経新聞教育欄に、尾嶋史章・同志社大学教授の「高校生像、40年間の変化 「まじめ化」進み安定志向に」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。
真面目になっているのですね。もう一つ、学校への不満が少なくなっています。ほかの居場所を持てるようになったからということ、学校側の対応も変わったからとのことです。

・・・兵庫県内の高校十数校の3年生を対象とした調査を1981年から40年以上継続し、東京大学の多喜弘文准教授や広島大学の白川俊之准教授らとともに分析を進めている。その結果から読み取れる高校生の変化について、4回続けて調査できた8校のデータ分析を通して考えてみたい。
調査は81年に始まり第2次が97年、第3次が2011年、そして第4次が22年に実施された。第1次と第2次の間にはファストフード店やコンビニエンスストアが街に広がり、ポケベル・PHSという情報ツールの普及で生徒は親や教師から逃れ、自分たちの居場所を持てるようになった。
そのことと学校の生徒対応の変化が相まって生徒の学校への強い不満を中和させ、自己実現や自分らしさを表現できる場へと高校生活を変えていった。

第3次調査以降にみられた90年代からの大きな変化は、それ以前の高校生とは異なる姿だ。勉強や部活動に熱心で、クラスメートとも協調して物事に臨む「優等生的」な生徒が増えた。
第1次・第2次調査では「授業や勉強に熱心である」と回答した生徒は3割台にすぎなかったが第3次では56%に達し、第4次でも5割以上を保っている。
授業に充実感が「いつもある」「しばしばある」という生徒も第2次以前は2割程度だったが、第3次以降は半数近くまで増えた。部活動に熱心な生徒が増加し、遅刻や校則違反をするような生徒は減少した・・・

・・・もう一つ、第4次調査からみえてきたのは進学動機の変化だ。大学進学希望者に限ってみてみると「学生生活を楽しむ」や「自分の進路や生活を考えるための時間」を選択する生徒が減少し、「希望する職業に必要」や「進学する方が就職に有利」を選択する生徒が増えている・・・