評価の役割、育てる

1月16日の日経新聞教育欄に、山内洋・大正大学教授の「「実学」としての文学 自己認識深め学生成長」が載っていました。

そこに、卒論指導の話が書かれています。学生が4年次の1年間をかけて卒論を書きます。秋学期には教員の助言だけでなく、学生間の相互評価や自己評価をするとのことです。

・・・かつて「評価」は、それぞれが在籍する学びの段階から次の段階へ向けての保証書・パスポートとしての意味が最も大切な役割だった。むろん今でも教育目標に照らして成績をつけることは授業者の責任である。
しかし、現在の教育改革の本旨が一人ひとりの「生きる力」を養い、この社会を支えていく基盤をつくることにあるなら、学生が教員評価や他者評価を通じて時に過剰な自己否定感や自己肯定感を、よりバランスのよいものに修正していく力をつけていくことこそが重要である・・・

「コメントライナー」2023年2月13日「人事評価、職場と職員を変える手法」で、人事評価の複数の機能を説明しました。
その一つが、職員の能力と業績について、足りない点を確認することです。
学校の入学試験は入学者を選別するためのものですが、期末試験は学生の到達度を測るものです。どこができなかったかを知り、その欠点を補習して、穴を埋めます。職員との期末面談は、この機能があるのです。