鎌田先生の解説、能登半島地震の仕組み

今回の能登半島地震では、場所によって4メートル隆起し、240メートルも海岸線が沖に広がったそうです。東日本大震災では、沿岸部が1メートルも沈下しました。何が違うのか、どうしてこのようなことが起きたのか。専門家の鎌田毅・京都大学名誉教授に教えてもらいました。専門家を知人に持っていると、得ですね。
その内容が、『中央公論』3月号に掲載されています。「盲点だった日本海側の防災対策 能登半島地震から何を学ぶべきか」

詳しくは記事を読んでもらうとして。東日本大震災と能登半島地震では、仕組みが違うのです。前者は沈み込むプレートが跳ね上がることで起き、後者はプレートがぶつかることで起きます。なるほど、それで一方は沈下し、他方は隆起するのですね。

能登半島は年平均で約1~1・5ミリメートルの速度で隆起していると考えられてきたのですが、今回の地震で4メートル隆起したことで、ゆっくり時間をかけてではなく3000~4000年に一度、大地震が起き、そのたびに大きく隆起したと考えられます。
能登半島の海岸には「海成段丘」(海岸線に発達した階段状の地形で、平たんな台地(段丘面)と前面の崖(段丘崖)の組合せからなる)が発達していて、輪島市や珠洲市の海岸線沿いには、3段確認されています。段丘が3段あることは、過去に大地震が3回起きたことを意味します。
私たちは、その数千年に1回程度の現象に遭遇したのです。

素人にもよくわかる解説です。ご一読をお勧めします。