年別アーカイブ:2023年

職場での面談、2つの場合

2023年7月5日   岡本全勝

公務員の業績評価に際し、期首と期末に上司との面談が行われます。私は、この仕組みはよいことだと評価しています。
導入当初は「面倒だ」と思いましたが、部下に今期の仕事の目標を確認する、そして達成度を確認する上で、必須です。「ふだん一緒に仕事をしているから大丈夫」ではないのです。

他方で、上司には言いにくいことがあります。上司と部下がうまくいっていない場合、その面談は形式的になります。
極端な例が、上司が原因となって部下が心を病む場合です。上司は、自分は正しく、部下ができが悪いと考えます。しかし実態は、上司が悪く、部下が被害者の場合もあります。
さて、このような場合に、面談をどのようにしたら機能するようになるのか。難しいですね。

汚染者負担、国の責任とは

2023年7月5日   岡本全勝

6月15日の朝日新聞夕刊「取材考記」、大鹿靖明・編集委員の「チッソも東電も「汚染者負担」国の責任とは」から。

・・・水俣病の原因企業チッソの責任を認めた最初の判決から50年経つ。それなのに、いまも被害者との間で争いが続くのは、政府の対策が不十分だからである。
政府は、水俣病被害者への補償や環境対策について「汚染者負担の原則」という考えに依拠してきた。環境を汚染したものが費用を負担せよ、という思想である。経済協力開発機構(OECD)が1972年、環境政策の指導原則に採択し、日本では公害の原因企業に責任を負わす根拠となってきた。チッソも、原発事故を起こした東京電力も、この原則が適用されている。「けしからんことをした企業に責任をとってもらうという考え方です」と財務省幹部は説明する。

だが、企業の補償能力を超える環境被害が起きたときに、どうするか。水俣が突きつけたのは、それだった。チッソは自力で費用を工面できなくなり、73年には債務超過に陥った。ふつうは経営破綻となるが、国はそうさせず、資金を「貸す」政策が採られた・・・

・・・霞が関では「汚染者負担の原則はグローバルスタンダード」と思われてきたが、実は日本は「特殊」なのだ。OECDが唱えた「汚染者負担の原則」は、例えば汚染排出企業に賦課金を課せば、企業はそれを免れるため自主的に予防対策に充てるようなケースを想定し、「予防費用を市場経済メカニズムに組み込んで解決を図るもの」(大阪公立大の除本理史教授)とされる。それに対して日本の「汚染者負担の原則」には、補償や原状回復費用、さらに倫理的責任など広く包含された。「加害企業が永遠に責任を持てという社会の声に適合した」と慶応大の遠藤典子特任教授。結果的に公害企業が一義的責任を負い、国が責任を回避する原則となってきた。

56年の水俣病公式確認後、チッソの工場排水が疑われたが、旧通商産業省はチッソを擁護し、排水が止まったのは68年。この間、被害が拡大した。国(通産省)の責任は重大だが、「汚染者負担の原則」からチッソが矢面に立つ。東電も同じ構図にある・・・

立命館大学法学部「公務行政セミナー」講師2

2023年7月4日   岡本全勝

先日行った「立命館大学法学部「公務行政セミナー」講師」の学生感想文を読みました。講義の数日後に送られてきたのですが、すべてに目を通すのが遅れました。学生たちは、真面目で礼儀正しいですね。

大震災での被災者支援や復興での仕事については、学生たちは小学生低学年だったので、目新しかったようです。それ以上に、反応が良かったのが、公務員や社会人としての経験談と注意点でした。どうしたら悩まなくてもすむか、悩んだときはどうすればよいのか。学生時代やっておくべきことは何か。自分を磨くにはどうしたらよいか。新聞の読み方など。

かつて慶應義塾大学法学部に出講していた時も、そのような話が学生に受けました。そうですね、私の経験からしても、学生時代は何も知りませんでした。この職業に就いてから、さまざまな経験と失敗をして、今の私ができました。「人間修養道場
私の経験を伝えて、悩む人が少しでも減ったら、うれしいです。『明るい公務員講座』は、その趣旨で書いたものです。

突然の病、死と向き合うには

2023年7月4日   岡本全勝

6月14日の朝日新聞夕刊「こころのはなし」、鎌田東二・京大名誉教授の「突然の病、死と向き合うには」から。

 最近、記者(42)の周りでは病気で手術を受ける人が増えた。30、40代のがんも多く、ひとごととは思えない。突然、死を意識せざるを得ない病が降りかかったとき、どう向き合ったらいいのだろう。心の痛みを対話などで癒やすスピリチュアルケアの専門家で、宗教学者の鎌田東二(とうじ)・京都大名誉教授(72)は自身もステージ4のがんが見つかり、治療を続けている。京都の自宅を訪ねた。

――スピリチュアルケアの専門家として、どんなことを考えましたか。
「がんを受け入れて生きる」とは、どういうことか考えました。アメリカの精神科医のキューブラー・ロスが1969年、死にゆくプロセスを科学的にとらえています。
病を告げられてから五つの葛藤があり、最初は「否認」です。頭では理解しようとしても、何かの間違いだと否定します。次に「怒り」です。もっと悪いことをしている人はいるのに、なぜ自分が、と考えます。
3番目は「取引」です。信仰心がなくても神仏にすがり、これをやり切るまで生かして、と取引します。4番目が「抑うつ」です。もうだめ、神も仏もいない、とあきらめの気持ちになります。
最後が「受容」です。死は自然なことと考えられるようになり、静かな時間を過ごすことができます。

――ご自身はいかがですか。
宗教や死生観を50年近く研究し、普段から死を意識してきました。そのせいか、5段階目の「受容」が強いんです。いきなり「受容」したという感じです。
それでも健康を失うと、絶望したり、うつになったり、負の感情が連鎖します。私は合併症による2週間の絶食療法がきつかった。このまま体力が落ちて死ぬかもしれない。治っても今までのように動けるのか。患者が抱く不透明感に直面しました。
このとき、詩を作りました。自分のなかに起こる心の叫びを言葉にすることで、自分自身を支えることができました。
生きていれば必ず逆境が訪れます。逆境は暗く長いトンネルです。しかし、トンネルは必ず抜けられます。抜けたら、大きな光が与えられ、その人の人間性に強い力が加わります。
ただ、信仰心のある人のほうが逆境に強いことは間違いありません。

人事院初任研修

2023年7月3日   岡本全勝

今日7月3日は、人事院の初任研修「行政政策事例研究・政策課題研究」で、基調講義をしてきました。北区西ヶ原の研修合同庁舎です。対象者約700人が8班に分かれて受講します。今日の組は約90人です。「2022年の研修

東日本大震災での経験を、話しました。彼ら彼女らは、当時小学生です。知らないことが多いでしょう。皆さん熱心に聞いてくれました。質疑の時間も超過しました。仕事の進め方、職場の風土づくりなど、公務員らしい質問も。
そして、課題を与えます。参加者は、いくつかの班に分かれて議論し、次回にそれを発表します。

今日の補足
1 仕事で悩まないコツは、「明るい公務員講座3部作
2 失敗をした場合の対応については、「お詫びの仕方」「責任をとる方法