年別アーカイブ:2023年

「主人」から「夫」へ、「家内」から「妻」へ。配偶者の呼び方

2023年4月2日   岡本全勝

3月27日の読売新聞女性欄「「妻と呼んで」6割も実際は35%」から。

・・・自分や他人の配偶者を、あなたはどのように呼びますか――。男性は「夫」「旦那」「主人」、女性は「妻」「嫁」「奥さん」「家内」など日本語には配偶者に関する表現がいくつも存在するが、どのように呼ぶのがふさわしいのだろう。日経ウーマノミクス・プロジェクトが実施したアンケート調査から、配偶者の呼び方に関する悩みを探った。

調査は2月に実施、「配偶者の呼び方」について男女1584人から回答を得た。
自分の配偶者を誰かに説明するときの呼び方について、女性では「夫」が51.9%と最も多く、「旦那」(18.2%)「主人」(9.5%)を大きく離した。男性では「妻」が35.6%と最も多い。
文化庁が1999年に行った国語に関する世論調査では、自分の配偶者について既婚男性の51.1%が「家内」と呼んでいた。また既婚女性では74.6%が「主人」と呼んでいたことも踏まえれば、使われる呼称は大きく変化していると考えられる。
ただ、他人の前で配偶者に何と呼ばれたいかとの問いに、57.7%の女性が「妻」と答えており、実際の呼ばれ方との差もみられる。男性は31.1%が「夫」、27.6%は「主人」と答えている。

家内、奥さん、嫁、主人、旦那・・いずれも過去の偏った役割分担からきた呼び名ですよね。妻、夫もよいのですが、他によい呼び方はないでしょうか。「連れ合い」と呼ぶ人もいますが。

よく残った着物文化

2023年4月2日   岡本全勝

3月30日の日経新聞夕刊「人間発見」、誉田屋源兵衛十代目山口源兵衛さんの「着物文化、よくぞ残る」から。

・・・そもそも世界の民族衣装に比べたら、着物はよくぞ残ってると思う。着付け教室があるような不便な民族衣装なんてほかにあらへんやん。血の記憶なんやろか。もう日用品ではないけど、着物には確かな存在理由があると思う・・・

・・・日本の染織が世界一いうことをわかってへんのは日本人だけ。明治以降、西洋の価値基準や文化をくぐってしまったせいなんや。今の若い人は日本の古典音楽もドレミで解釈してる。海外ブランドくぐったから着物もドレミの目で評価しはるわけや。これが伝統的な着物ですよ、と言うても、嫌なものは嫌や、となる。もうごまかせんのや。
そんなお客さんを満足させられる着物や帯を作れるか、ということや。けど、俺は西洋に媚びたりはせん。こっちには日本のすごい美意識を土台にした強さがある。なんで西洋の水準に合わせなあかんのや、と思うてる・・・

・・・これだけの染織技術が今に伝わっているのは、鎖国で産業革命が100年遅れて手仕事が生き残ったおかげや。着物の存在もこの技術を守ってくれた・・・

新年度が始まります

2023年4月1日   岡本全勝

今日は、4月1日。新年度が始まります。土曜日なので、多くの職場では、実際は3日の月曜日からでしょう。

新採職員は、大きな夢を持っていることでしょう。その初心を忘れないで、努力してください。とともに、少しの不安を持って職場に座ることでしょう。異動した職員も同じです。誰もがみんな、最初は職場の1年生でした。不安を乗り越えるコツは、周りの人に聞くことです。
この3年間、新型コロナ感染防止で、在宅勤務を余儀なくされた職員も多いでしょう。一人での仕事は、不安だったと思います。「誰に何を聞いてよいのかがわからない」「こんなことを質問してよいのか」。それが悩みなのですよね。

先輩たちも、自分が1年生だったときのことを思い出して、後輩が何でも質問できる雰囲気を作ってください。部下を育てることが、あなたを成長させます。「子育ては親育て」と同じく、「部下育ては上司育て」です。若手職員を一人前にすることで、職場の能力が向上します。質問しやすい職場は、働きやすい職場です。そのような「社風」をつくることが、職場の改革であり、働き方改革です。
若い職員には『明るい公務員講座』を、初めての管理職には『明るい公務員講座・管理職のオキテ』を薦めてください。「3部作の解説

異動がなかった職員も、今年度1年間に何をするのかを確認する機会です。上司や部下と、今年度にやるべきこと、今月にやるべきことを確認しましたか。まだなら、早く面談で確認しましょう。何をやるかが不明確な職場では、残業は減りません、生産性は低いです。参考「令和時代の自治体と職員」(「東北自治」)

「経済学者もあきれる物価対策」

2023年4月1日   岡本全勝

3月31日の日経新聞「大機小機」、「経済学者もあきれる物価対策」から。

・・・政府は3月22日に追加の物価対策を決めた。前回分も合わせた財政支出は15兆円に及ぶ。筆者が不思議に思うのは、これだけの大規模な経済政策について、経済学者の側からほとんど議論が出ないことだ。筆者が経済学者を代表できるわけではないが、その理由を想像してみよう。

第1に、経済学者は、交易条件が悪化してしまったら、日本の経済状態は悪化せざるを得ないことを知っている。2022年には輸入価格が大幅に上昇したため、15兆円もの交易損失が発生した。このため実質GDP(国内総生産)は1.0%増加したが、実質GNI(国民総所得)は1.2%も減少した。生産活動は増えたのだが、国民の所得水準は低下したのである。
物価対策は、この交易損失を財政で埋めようとしているように見える。これは、現世代の負担を将来世代に置き換えているだけだと経済学者は考えるのではないか。

第2に、経済学者は価格の資源配分機能を重視する。しかるに、政府はこれまで、財政措置によってガソリン価格や電力料金、さらには今回の追加対策でLPガスなどについても価格の上昇を抑え込もうとしている。
輸入価格上昇によって資源関連の財・サービス価格が上昇するのは、これらの消費を抑制せよという市場からのシグナルである。物価対策として価格の上昇を抑え込むことは、逆にこれら財・サービスの消費を奨励することになると、経済学者は考えるのではないか。

第3に、経済学者は、政策を立案する際には、ロジックとデータに基づいて、政策目標を達成するための効果的な政策手段を準備すべきだと考えている。いわゆるEBPM(証拠に基づく政策立案)である。しかるに、政府は昨年の物価対策で、低所得世帯向けに5万円の給付を行い、今回さらに3万円と子供1人当たり5万円の給付を追加した。ところが、対策の目的と効果についてデータに基づく情報が全くない。これでは評価のしようがないと経済学者は考えたのではないか・・・

「証拠に基づく政策立案(EBPM)を提唱している人たちは、この現象をどのように考えているのでしょうか。経済財政諮問会議や財政審議会では、どのような議論があるのでしょうか。

競争が動物の進化を促す

2023年3月31日   岡本全勝

3月26日の日経新聞科学欄「体サイズ急変、絶滅リスク 島の哺乳類、人類の狩猟も影響」が、興味深かったです。

・・・ドイツのマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルクや東京大学などは、生物が体のサイズを極端に変える進化は絶滅につながりやすいとの分析をまとめた。島のような特殊な環境では大きい動物が小型化したり小さい動物が大型化したりする・・・
・・・大陸の祖先と比べて体重が1%程度になったゾウや、祖先の200倍の大きさになったジャコウネズミは絶滅した・・・

へえ、そんな進化もあったのですね。
私が注目したのは、「大陸から離れた島では捕食者がおらず、脳の縮小や走行能力の低下も起きる」という指摘です。
そこに人類が渡っていくと、簡単に捕まえられて、滅んでしまいます。