11月9日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」は、小川啓之・コマツ社長の「父に学んだ社長の覚悟」でした。表題とは異なりますが、次のような話が載っています。
一般的に本社でいわゆる「王道」を歩んできた幹部は、会社が難しい局面になったときに、的確な判断ができないようです。
――社長就任前にインドネシアに赴任しています。
「14年からインドネシアの総代表を務めました。今思えば、社長になる前に前任の社長の大橋徹二さんの計らいでこれまでできなかった経験を積めたのだと考えています。当時インドネシアでは鉱山機械の需要が最低で、全く売れませんでした。直前の11〜12年に鉱山機械が売れるピークがあり、その反動で14〜15年は1台も売れない月もありました」
「コマツでは市場を伝統市場(日本、北米、欧州)と戦略市場(アジア、中南米、アフリカなど)に大別しています。これまでの社長は伝統市場しか経験していませんでしたが、今は戦略市場の重要性が高まっています。私も次期社長には伝統市場と戦略市場の両方を経験している人を据える考えです」
「その需要がボトムの時期にインドネシアに行ったことが私にとって良かったと感じています。代理店との関係性強化などに取り組みました。悪い時に良い時のことを考え、良い時に悪い時のことを考えるのは経営の要諦だと思っています」
日立製作所を立て直した、川村隆さんと中西宏明の話を思い出します。「外から組織を見る、純粋培養の時代は終わった」