市町村アカデミーで講義

今日10月24日午前は、市町村アカデミーの「フォロワーシップによる組織づくり」で、「働きやすい職場を作るために」という講義を受け持ちました。
リーダーシップ論、指導者論はたくさんあるのですが、それを支える人たちの教科書や研修は見かけません。しかし、上司がいなくても職員がいれば組織は成り立ちますが、部下のいない上司だけでは組織は成り立ちません。良いリーダーは、良い部下がいてこそ、成り立ちます。
東日本大震災発災直後の被災者支援本部が機能したのは、私を支えてくれた「助さん格さん」が優秀だったからです。

フォロワーは、仕事を進めるために、職員を指導するとともに、上司を動かす必要があります。上司があなたを見ているとともに、部下もあなたを見ています。下を見る視点と、上を見る視点の両方が必要です。

社内転職の薦め

10月12日の日経新聞夕刊に「「社内転職」会社も応援」が載っていました。

・・・会社員生活と切っても切り離せない人事異動。その主導権を会社から個人に移す動きが広がっている。働きたい部署でやりたい仕事ができるよう個人に情報提供し、時に助言もして会社が「社内転職」を積極的にサポートする。終身雇用の限界が指摘されるなか、会社と個人のパワーバランス見直しが迫られ、キャリアの積み方は過渡期にある・・・

・・・リクルートワークス研究所の調査では欠員などを社内公募するジョブポスティングを37.9%が導入するなど個人選択型異動制度は普及しつつある。ただ千野翔平研究員は「仕組みはあっても有名無実化している企業が多い。例えば上司の許可や社歴、年齢など条件があって自由に手を挙げられない。本格的に広がるのはこれからだ」と指摘する。
調査では会社主導より自ら手を挙げて異動した人の方がエンゲージメント(働きがい)が高かった。「経営にも利点がある。今後は異動の主軸を会社主導型から個人選択型に切り替えることが必要だ」とみる・・・

詳しくは記事を読んでいただくとして。日本のメンバーシップ型雇用慣行では、会社や役所に採用されると、その後の職務も異動も会社・役所任せでした。経済発展期にはこの仕組みが良く機能したのですが、成長が止まると、生産性の低い職場、職員が不満を持つ職場に暗転しました。連載「公共を創る」で、今議論しているところです。
紹介されている試みは、ジョブ型を組み合わせようとしています。「あてがい扶持」の異動は不満を生み、自ら手を挙げた場合はうまくいけば満足し、うまくいかなかった場合も納得できます。

ベトナム共産党幹部研修講師

今日10月23日は、ベトナム共産党幹部研修講師に、政策研究大学院大学に行ってきました。幹部の役割を理解してもらうため、東日本大震災での私の体験をお話ししました。
2時間半のうち、30分を質疑にあてました。休み時間にも質問が出るなど、活発かつ良い質問で、充実した研修でした。

ベトナムも日本と同じで、人の名前は姓名の順だそうです。間にミドルネームが入ります。ところが、姓の数が少なく、例えばグエンが4割を占めるとか。姓では識別が難しいので、下の名で呼ぶのだそうです。相手が大臣であっても。

新型コロナ対策、専門家の提言

10月11日の朝日新聞、尾身茂氏に聞く、コロナ提言づくりの裏」「「ここは学会じゃない」何回か言った」から。

コロナ禍で100以上の提言を発表した専門家集団。とりまとめ役を担った尾身茂氏が提言づくりの内幕を描いた新著を先月出版した。尾身氏はインタビューで「我々の提言が完璧とは思っていない」と述べ、提言内容が妥当だったのか検証が必要との考えを示した。

――2020年5月8日、最初の緊急事態宣言の解除の条件を議論する勉強会で、「一体何を考えているんだ」と声を荒らげたと書いています。
ある程度、客観的な解除の目安を作ることは、勉強会の4日前に政府の基本的対処方針等諮問委員会で合意していた。
でも、勉強会には委員会のメンバーでない人もいる。自分の専門領域のことが当然頭にある。だから、「感染がゼロになってから解除するべきだ」とか「宣言は1~2年継続するべきだ」という意見が出た。
私は「何を考えているのか」と思った。そもそも、緊急事態宣言を出すときの記者会見で三つの理由を示した。(1)感染が拡大して、(2)医療が逼迫(ひっぱく)し、(3)クラスター対策が出来なくなっている。宣言を出した理由がなくなれば、解除は当たり前と思っていた。

――「ここは学会ではない」と言ったこともあったそうですね。
我々の最大の仕事は、政府に提言することだ。提言は直接的、間接的に国民生活に影響する。だから、研究者には酷なことだと十分わかっていたが、厳密なエビデンス(科学的根拠)がないから何も言えないのであれば、専門家の存在理由がなくなる。「ここは学会じゃない」「専門家としての判断や考えを言うことが必要だ」と何回か言ったと思う。
提言をつくる過程で正解はない。合理的で、人々に理解してもらえる内容に落とし込むのは、そう簡単ではない。専門家といえども、専門性や価値観、経験が違うから、考え方も違う。それぞれの意見をぶつけ合うことでしか、提言をまとめることはできなかった。
提言をつくる過程の、時に激しいやり取りを知ってもらうことで、新しい専門家の助言組織に少しでも参考にしてもらいたいという思いがある。

小学校の同窓会

今日10月22日は、小学校の同窓会に行ってきました。明日香村立高市小学校です。石舞台の隣にありましたが、その後、統合されて今はありません。同窓会はこれで3回目の開催ですが、前2回は私は都合で参加できませんでした。

私は6年生の6月に、父の意向で橿原市立晩成小学校に転校し、中学校も橿原市立八木中学校を卒業しました。住民票だけを移す「越境入学」です。なので、小学校の同級生みんなと会うのは、57年ぶりになります。もちろん近所の友達とは、転校しても顔を合わせていました。
小学生から高齢者に。みんなすっかり変わっていましたが、顔を見ると子どもの時の面影があり、名前が分かりました。みんな、当時のことを良く覚えていて、「××をやったよね」といった話題で盛り上がりました。「テレビに出ているのを、見てたよ」とも。
幹事の皆さん、ありがとうございます。

小学校は、1学級でした。名簿によると、男子23人、女子20人の43人です。今日は16人が出席しました。
今も覚えていますが、出席番号が、1番山下君から始まり、藤島君、西川君、谷川君、私・・という順です。何の順番だろうと不思議に思うでしょう。生まれた日でもなく、身長順でもありません。
大字岡から始まり、その番地の順です。そのあとは、細川谷、稲淵谷・・と集落順に続きます。だから、今でも覚えているのです。
結果として、先生が家庭訪問する順になっています。集団登校の際はこの班で集まっていき、運動会も大字で分かれていました。町の学校に転校したら、出席番号があいうえお順で、世の中にはこのような合理的な並べ方もあるのだと感心しました。