公務員本の分析

季刊『行政管理研究』2023年9月号には、参考になる論考がたくさん載っていますが、すこし趣の異なる研究を紹介します。小林悠太・東海大学講師の「知識労働としての公務:出版市場からの接近」です。

本屋には、公務員を読者と想定した書籍がたくさん並んでいます。それらを「公務員本」と呼び、 その機能や出版状況を分析したものです。
公務員は研究者とは違いますが、業務に専門知識が必要な知識労働者です。そのような専門知識から見ると、知識創造、知識移転、知識共有の場面があり、公務員本は移転と共有に機能を発揮しています。
また、専門分野別知識だけでなく、職場での作法、管理職の知識などもあります。
そして、この研究では、1970年代以降の公務員本の変遷を追っています。

対象として、公務員本の出版点数が多い次の5社を選んでいます。ぎょうせい、学陽書房、第一法規、公人の友社、公職研です。
類例のない研究だと思います。ご関心ある方は、お読みください。