JICA上級国家行政で講義

今日10月31日は、JICA上級国家行政研修で講義をするため、幡ヶ谷のJICA東京に行ってきました。この研修の趣旨は、実施要領によると次の通り(一部を抜粋します)。
「開発途上国の社会経済の発展のためには、その基盤となる各国のガバナンス能力の向上が必要不可欠である。途上国の社会経済の発展を図る際に、政府・公務員に期待される役割は大きく、幹部公務員の政策企画立案能力および行政管理能力等の向上を図ることは途上国の重要な政策課題の一つである。
本研修は、我が国の戦後の発展過程における経験を参考としつつ、我が国の行政における政策形成の最近の動向や開発途上国における発展・開発のあるべき姿を、その歴史的な経緯を含めて紹介する。これにより、政策形成に関与する中央政府上級幹部の政策企画立案能力および行政管理能力を向上させることを目的とする。」
参加国は、次の14か国です。バングラデシュ、カメルーン、ガーナ、ギニア、ラオス、リベリア、マダガスカル、マレーシア、ナイジェリア、北マケドニア、パプアニューギニア、フィリピン、タンザニア、イエメン

3週間、しかも母国へ還元する報告書作成と発表もある、なかなか厳しい研修です。
東日本大震災の経験を基に、政府幹部の役割を話しました。皆さん熱心で、質問も盛りだくさんでした。混乱時での政治家からの要請を断る術や、民間分野との連携に興味を持ってもらったようです。もう一つは、こんなに大きな金額を使って汚職はないのかです。
私の講義は「素晴らしい」と褒めてもらえました。お世辞でもうれしいですね。
この10月は、合計7つ講演をしました。

サラリーマンに必要な「成仏」

10月19日の日経新聞夕刊「人間発見」、経済コラムニスト・大江英樹さんの「「定年楽園」を生きる」から。

・・・サラリーマンにとって定年は人生の一大事。前と後で慣れ親しんだ生活が一変します。本当は50代になり「社長になる目」がなくなった人は、早めに頭を切り替え次の人生へと踏み出すべきです。
そもそも出世レースは相当分の悪い勝負です。ゴールは社長の席1つだけ。実力に加え、運も左右します。会社に全てをささげ仕事にまい進、出世に努めるのも40代までならいい。でも50代は残りの人生に目を向けた方がいい。
社長以外は、副社長もヒラもサラリーマンの大多数はある意味「負け犬」です。そして定年を迎える。早めに切り替え「成仏」してこそ、残り30〜40年の人生が輝きます。

かく言う私も当時は全くダメでした。起業したいとは、ぼんやり思っていましたが、具体的なプランはない。流されるまま、定年後も65歳まで勤められる再雇用制度を利用し、それまでと同じ仕事を惰性で続けました。
これは相当のストレスです。昨日までその部門の長だったのが一兵卒となり、責任と権限が曖昧になる。もちろん週3日勤務だし、給与の激減は納得の上でした。自分なりに努力し、コピーやお茶入れ、トナー交換などもフットワーク軽くやってみましたが明らかに浮いていましたね・・・

山崎和之国連大使

山崎和之・在ジュネーブ日本政府代表部大使が、国際連合日本政府代表部大使に任命されました。おめでとうございます。というか、昨今の国連安全保障理事会の混迷ぶりを見ると、「ご苦労様」と言わずにおられません。

麻生太郎総理に、一緒に秘書官として仕えました。
山崎君も、いろいろと仕事を呼び込む男です(失礼な表現です)。中国の公使では、大使と乗っていた車を襲われました。彼は抗議や抵抗をせず、冷静にその状況を写真に撮って中国当局に示しました。そうされると、相手当局もうやむやにはできませんよね。素晴らしい判断です。「事件に巻き込まれたときの判断

2018年の第44回先進国首脳会議(右下の写真)では、ごねるトランプ大統領をメルケル首相が説得した場にいました。山崎君が安倍首相とその場を「動かしている」ようにも見えます。BBCニュースでは、登場人物の3番目に紹介されています。

昭和をひきずる年金制度

10月18日の日経新聞オピニオン欄、柳瀬和央・論説委員の「「昭和」をひきずる年金制度 男女の違い、まだ必要か」から。男女共同参画社会といいながら、なぜこのような制度が今も続くのですかね。男女共同参画白書が指摘しないのでしょうか。一部の既得権者の反対があると、全体の利益のためにそれを廃止できないことが、日本の発展を阻害しています。この記事は、「政治の役割」に分類しておきます。

・・・夫が働き、妻は家事に専念する――。こんな昭和の家族像を前提にしたルールが公的年金にはいくつも残る。2025年の次期制度改正はこれらの見直しが焦点になる。
「昭和モデル」として最も知られているのは第3号被保険者制度だろう。専業主婦ら会社員や公務員の配偶者は保険料を納めなくても基礎年金を受給できる仕組みだ。
主婦らがパートに出ても収入が一定額以上になるまでは扶養家族として扱われ、年金保険料を納めなくても基礎年金を受給できる仕組みだ・・・

・・・実は、昭和を引きずった年金のルールはこれにとどまらない。家計を支える者が死亡した場合に残された遺族の生活を支える遺族年金にも色濃く残っているのだ。
子どもがいない30歳の専業主婦が会社員の夫を亡くした場合を想定しよう。すぐには難しくても、いずれ仕事を探して収入を得ようとするのが現在では一般的な行動のはずだ。ところが年金制度の考え方はそうなっていない。この女性は再婚するか籍を抜くかしない限り、遺族厚生年金を終身でもらうことができる・・・

410万番達成

この画面の右上につけてあるカウンター。410万番を達成しました。400万番は6月でした。
多くの方にご覧いただき、ありがとうございます。しょうむないことでも、書き続けることが肝心ですね。

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いろいろと忙しく、加筆の時間を確保することに苦労しています。それで、勉強になった新聞記事の紹介が遅くなっています。すみません。