山﨑重孝・元自治行政局長を中心とした座談会「平成の地方制度改正をひもとく」(月刊『地方自治』)、2023年2月号は職務執行命令訴訟の改正についてです。(1月号)
2000年に行われた分権改革以前は、機関委任事務という分類がありました。地方公共団体が処理するのですが、首長(知事、市町村長)が法令に基いて国から委任され、「国の機関」として処理する事務です。
機関委任事務について国は包括的な指揮監督権を有し、知事が機関委任事務の管理執行について違法や怠慢があった場合に職務執行命令訴訟を経て主務大臣による代執行を行うことができるうえ、総理大臣による知事の罷免が可能でした。公選による知事の身分を奪うことはおかしいので、知事罷免制度は1991年の地方自治法改正により廃止されました。
なぜ機関委任事務や職務執行命令訴訟という仕組みがあったのか、そしてなぜ廃止されたのか。この座談会を読むと、よく分かります。