12月25日の朝日新聞に「米国で高級すし店「OMAKASE」ブーム 客単価10万円も」が載っていました。詳しくは、記事を読んでいただくとして。
・・・米国で客単価が10万円を超える高級すし店が増えている。人気のカギを握るのが、あらかじめ決められたメニューが提供される「OMAKASE(おまかせ)」というシステム。近年、多くの店がこのシステムを採り入れ、人気を集めている。
12月上旬の金曜午後8時すぎ。中国・深圳出身のシンシアさん(27)はニューヨーク・マンハッタンにあるすし店「icca(一花)」を1人で訪れた。8人席のカウンターに座り、すし職人の鈴木一成さん(33)と向き合う。全員が席に着いた午後8時半、一斉に「おまかせ」の提供が始まった。
iccaには、食事のメニューは2種類のおまかせしかなく、アラカルトの料理はない。価格は400ドルと210ドル。シンシアさんは400ドル(約5万4千円)を選んだ。アワビや毛ガニ、十勝ハーブ牛などを使った一品料理のあと10貫の握り、そしてデザートへと続く。魚介類はすべて日本から輸入されたもの。開店してまだ約1年だが、10月にはミシュランの一つ星を獲得した・・・
・・・「おまかせ」は、以前から米国でも一部の店が採り入れていた。だが、本格的に普及したのはこの5年ほど。特に、400ドル~500ドルほどの店が乱立し、店によっては1千ドル近い価格まで高騰したのは最近だ。酒や消費税、チップを加えれば、日本円で10万円を超えることも。ここまで高級化した背景には、店側のメリットと、客側の理解がある・・・
・・・米民間調査会社IBISワールドによると、米国のすし店は13年の約1万6千軒から、22年に約2万4千軒と5割増加。28年には2万8千軒を超える見込みだ。市場規模は約20年で2・2倍に拡大した。松井教授は「カリフォルニアロールのようにのりを内側に巻いたり、マグロやアボカドをスパイシーな味付けで出したり、巻きずしを揚げたりするなど火を入れるアレンジも多い。さまざまなかたちのすしがあり、自分の入りやすいところからすしを覚える環境がある。その最高峰に『おまかせ』がある。米国の大都市には多くの富裕層がいて、高級化にもつながった」と指摘する・・・
・・・数十年前まではすしを提供する店の9割以上が日本人オーナーだったが、いまは1割以下とされる。米国ですしを学んだ職人も増えており、松井教授は「いまや日本食の中のすしではない。日本食とは別の独立したジャンルとしてすしが認識されている。経済的な理由、つまりもうかるので、投資家も目をつけ、高級すし店に積極的に投資している。高級路線は今後も進むだろう」と話す・・・