年別アーカイブ:2022年

母子手帳の効果

2022年2月17日   岡本全勝

日経新聞の医療健康面、毎週火曜日に、板東あけみ・国際母子手帳委員会事務局長が、母子手帳について連載しておられます。2月1日の第1回は「日本生まれの母子手帳」でした。
母子手帳が日本で発明され、海外にも広がっていることは有名です。ここでは、学生たちが自分の母子手帳を読み返す効果が書かれています。

大学の授業の際に、自分自身の母子手帳を持参してもらうのだそうです。自分の母子手帳をじっくり見るのは、多くの学生にとって初めてです。
学生の一番目を引く場所は、余白に書かれている記述だそうです。初めて寝返りができた、離乳食が進まないなど、何気ない喜びや悩みが書かれていて、自分が大事に育てられてきたことを実感します。
それが、自己肯定感につながっているようです。

心は放っておくと暴走する

2022年2月17日   岡本全勝

朝日新聞「ウエブ論座」、三田地真実さんの「東大前刺傷事件から考える~心は放っておくと暴走する「苦しみの正体」 内面に“今ある”感情に気づこう」(2月1日掲載)が、参考になります。「放っておくと体は硬くなる、心は暴走する」は、1人のタイ僧侶の言葉だそうです。

・・・「心は放っておくと暴走する」という冒頭の言葉は、認知行動療法の文脈では「自動思考」と呼ばれる心の動きとほぼ同じ内容を指している。つまり、人は何かを見たり聞いたりすると、パッとそれについてのある考えが「自分の意図とは関係なく勝手に浮かび」、さらにそれが次々と別の思考を呼び起こしていくというプロセスのことである。
自動思考は、特段何かメンタルの問題がある場合にのみ起きるものではなく、今、この文章を読まれている皆様の心にあれこれ浮かんでくる「まさにその思考」のことである・・・

・・・このような思考がどんどん勝手に膨らんでいき、嫉妬や羨望でどうしようもなくなるということは、誰にでもあるだろう。様々な場面で人は「本当は自分の人生とは関係のない出来事」に心を、気持ちを揺さぶられる。そして、自分勝手に苦しいストーリーを作り上げて、さらに苦しんでしまう。「苦しみ」がこのようなプロセスによってもたらされているということすら、ほとんどの人は気づいてはいないだろう。後述するが、このことを看破したのがあの仏陀(ブッダ)だったのである。
実は私自身もこういうネガティブな自動思考で頭の中がぐるぐるしている時期が随分長くあった。もちろん当時それを「自動思考」と呼ぶということすら知らず、程度の差こそあれ、自分よりうまく人生を歩んでいるような人を見るとむくむくと「なんで、あの人があんないい思いをして、一生懸命やっている私が……」といういやーな気持ちに苛まれることがあった。
しかし、それとどう付き合うかという、このような自分の思考の取り扱い方については、「習ったことがない」と気づいた。そのきっかけになったのが、タイ仏教に根差した「気づきの瞑想」(あるいは「気づきのマインドフルネス」)との出会いであった・・・

この説明には、納得します。嫌なことは忘れたい、思い出したくないのに、頭の中から離れないどころか、ぐるぐる回るのです。静かに頭の中を回り続けるだけでなく、感情的に暴走するときもあります。この項続く

市町村アカデミーのコロナ対応

2022年2月16日   岡本全勝

先日書いたように、コロナ感染拡大に対応するため、市町村アカデミーでの研修を一部中止しました。この状況がしばらく続くことを想定して、職員が次なる対応を考えてくれました。

集合宿泊研修は、感染検査業務が対応できるようになるまで、難しいです。そこで、講師の先生たちと協議して、オンラインでの研修に切り替えることにしました。
ただし、全国から集まった研修生の交流や班別討議などが、十分に実施できません。それは仕方ないと割り切って、次善の策としてこのようにします。

「地域保健と住民の健康増進」は、受講対象者がまさにコロナ対策に従事しておられるので、これは中止します。

「国難災害と緊急消防援助隊 」

2022年2月16日   岡本全勝

室田哲男著『国難災害と緊急消防援助隊 (緊急消防援助隊の災害対応力の強化に向けて) 』(2022年、近代消防社)を紹介します。

警察(都道府県)や消防(基本的に市町村)は自治体の業務であり、国が運営している自衛隊とは、国全体で見た場合に運用の形が違います。現場に近い方が、より密着した活動ができるのですが、大規模災害などに出動する場合は、自衛隊は大臣の命令でできますが、消防や警察は他団体への応援になります。阪神・淡路大震災の際にこの問題が認識され、より効率的な活動ができるように改革されてきました。

この本は、「大規模災害時に全国から被災現場に駆け付け救助活動を展開する緊急消防援助隊の仕組や実態、課題について、体系的に解説した唯一の書」です。
国全体で対応しなければならない、しかし実行は自治体が担う場合は、いろいろな場合があります。社会福祉、教育などです。平時では議論する時間があるのですが、緊急時は対応が急がれます。最近では、新型コロナ感染症対策で「緊急事態における国・地方関係の在り方」が議論になっています。緊急消防援助隊の指揮・調整は、その参考になります。

家庭科での金融教育

2022年2月16日   岡本全勝

2月12日の読売新聞夕刊1面コラム「よみうり寸評」に、次のような話が載っていました。
・・・受験に必要だからではなく、豊かな人生を送るために勉強するのだとしたら、保健体育、芸術、家庭科は「主要3教科」と呼ばれるはず――高校の英語教師から家庭科教師に転身した経歴を持つ南野忠晴さんは、著書にそう 綴つづ る◆高校の家庭科が男女ともに必修となって約30年がたつ。暮らしの幅広い分野を扱うことから内容は時代とともに変化してきた◆人生100年時代を迎え、新年度からは金融教育にも踏み込む。教科書を開いてみると、株や投資信託を取り上げ、「確実な 儲もう け話はありえない」とリスクにも触れている。ところが教師からは「投資も資産形成も経験はおろか知識もない」と戸惑う声が聞こえてくる・・・

そうですよね。高校で習う数学や物理は知らなくても生きていけますが、消費者教育や家庭生活(家事や子育てなど)は知らないと生きていけません。インターネットのお作法なども、今や必須知識です。
私も学校では教えてもらわず、社会人になって先輩に聞いたりして見よう見まねで身につけました。金融は、銀行に預けることしか知りませんでした。ちなみに、私の高校は課外授業で、洋食のマナーを教えてくれました。これは、自信になりました。

スウェーデンの社会科の教科書を紹介し、人生で挫折した場合などの対応方法を教えるべきだと、連載「公共を創る」で主張してます。
かつては家庭や地域で身につけることができたのですが、今の世の中では無理です。多くの若者、いえすべての若者にとって、高校数学より消費者教育や家庭生活教育の方が重要だと思います。