12月14日の日経新聞に「キャリア教育、46%が早期化 ジョブ型採用に備え」という、学長アンケート結果が載っていました。
・・・仕事内容と求める能力を明確にする「ジョブ型」を新卒採用でも導入する企業が増えている。即戦力になる新卒学生を求める企業も現れ始めた。日本経済新聞社が実施した学長アンケートで、変わる人材ニーズへの対応策について聞いたところ、157大学のうち5割弱がキャリア教育の早期化と答えた。一方で大学が職業訓練の場になる可能性を危惧する声も上がっている・・・
「職業訓練校化していくことが高等教育機関の使命ではない」という学長の発言も載っていました。
私は、大学とは職業教育の場で、教養も合わせて学ぶ場だと思っていました。私は、公務員になるために東大法学部に進みました。法学部だけでなく医学部も、職業訓練校です。大学に残って研究者になる人もいますが、多くの卒業生は公務員、法曹、医者になります。教育学部を出た人も、教師になるのでしょう。
東大法学部は、そもそもが官吏を養成するために作られました。当初は公務員試験も免除されていました。その後も、公務員試験、司法試験の予備校の機能があります。
この学校は、明治政府が先進国に追いつくために作った学校です。先進国から先進知識を「輸入」する学者と研究者を育成するとともに、社会でそれを実行する職業人を育てました。実用の学である工学部が大学に作られたのも、先進国では日本が最初だと聞いたことがあります。
大学進学率が5割を超えています。その人たちに、一般教養や専門研究教育を教えるだけでよいのでしょうか。
そのような教育を実施するのは、教員側の都合だと、私は思います。