12月7日の日経新聞に「トルコ与党、若者の支持離れに苦慮 経済成長知らず、不満募る」という記事が載っていました。
・・・11月に政権樹立から丸20年を迎えたトルコの与党、公正発展党(AKP)が有権者の支持離れに苦慮している。80%を超える高インフレに加え、過去のめざましい経済成長を知らない若者の不満が強く、2023年半ばに予定される選挙ではエルドアン大統領の再選も予断を許さない・・・
・・・イスタンブール経済研究所の11月調査によると、トルコの将来に「不安」を抱く人は年齢別で18~24歳の若年層が最も多く、58%に上った。反対に「希望」(18%)や「誇り」(9%)を持つのもこの若年層が最も少なかった・・・
・・・AKP政権下でトルコの1人当たり国内総生産(GDP)は3000ドル(約40万円)台から13年までに1万2000ドル台と約10年で3倍超に増えた。全国に空港や大学ができ、医療へのアクセスも大幅に改善するなど国民は成長を実感した。だが近年は1人当たりGDPは1万ドルを割り込む。
AKP政権でいったんは前進したようにみえた民主主義も近年は後退が著しい。英国の調査機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が公表する民主主義指数でトルコは13年ごろから年々、スコアを低下させている。
しかし、人々に不自由を感じさせるだけの欧米的な自由主義を浸透させたのも現政権の功績といえる。AKP政権以前のトルコでは世俗主義の守護者を自任する軍が強い力を持ち、人口の大半を占める敬虔なイスラム教徒が抑圧されていた。イスラム主義を掲げるAKPも裁判で違憲とされた・・・