学校では知識を学びます。国語、算数、理科、社会・・・。社会を生きていくために必要な知識です。もう一つ重要なのは、それを通じて、知識を得る技を身につけることとです。分からないことが出てきたときに、何を調べたらよいか、誰に聞いたらよいかという知識です。前者が事実を身につけることであり、後者は技術を身につけることです。前者は蓄積という量であるのに対し、後者は方法であり姿勢です。
「要領がよい」というのが、その技術を身に付けたことを表します。これは、必ずしも教科の知識が多いこととは比例しません。もっとも、要領を身に付けると、教科の知識も効率的に身につきます。
学校と同様に、職場でもこれは当てはまります。
与えられた職務を執行するに必要な知識を得るとともに、これまでにない事態が生じたり、新しい仕事を考える、さらには昇進するための技です。前者は職務手順書(マニュアル)に書かれています。それさえ理解できれば、仕事は片付きます。後者は、手順書には書かれておらず、自分で身につけていかなければなりません。
仕事をしていると、手順書に書かれていない新しい事態が起きます。それに対処する際に、経験の差、要領のよい人とそうでない人の違い、仕事ができる人とできない人の差が出ます。
学校の教科書は前者であり、拙著「明るい公務員講座」3部作は後者を目指しました。