気仙沼市で講演

昨日25日は、気仙沼市の「東日本大震災からの復興とその先の未来へ」で、基調講演をしました。
大震災の復興で、政府と自治体、住民、企業、非営利団体は何をしたのか。従来の復興と何を変えたのか。さらに、流された町を復興する過程で、町とは何か、町のにぎわいはどうしたらつくることがわかりました。これは、今後の町の発展や住民の暮らしを考える際に、よい勉強になりました。それを簡潔にお話ししました。
その後、大西隆・東大名誉教授、大滝精一・東北大名誉教授、関満博・一橋大学名誉教授(このお三方は気仙沼市の復興会議委員でした)、菅原茂市長の討論会の司会を務めました。

震災から11年余りが経ちました。震災後に現地に行ったときは、被害の大きさと膨大ながれきの山に、「この先どのようにしたら復旧、復興するのだろうか」と思案に暮れました。今、その時を知らずに気仙沼を訪れた人は、震災を感じることはないでしょう。それくらいに、見事に復興しました。関係者の努力のおかげです。また、高速道路や大島架橋など、以前よりよくなったものもあります。被災という悲劇を経験し、これまで以上に強く、立派なまちをつくって欲しいです。
いつも思うのですが、先は長く思えますが、過去は短く感じられます。
このあと、気仙沼市をはじめ被災地が発展するかどうか。それは、産業にかかっていると思います。働く場があって、人が暮らせます。にぎわいも、それによります。もう一つの鍵は、若い女性です。仙台や東京に学びに行った後、ふるさとに帰ってくる人が少ないのです。この風潮をどう変えるか。

気仙沼は、去年のNHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台になりました。
久しぶりの気仙沼なので、いくつか復興の進んだ姿を見てきました。朝、気仙沼駅で一関行きの列車を待つ間に、そこから先の鉄道を引き継いだバス(BRT)が、南と北へと出発していきました。