7月31日の読売新聞「JR考(3)」「在来線 国の予算わずか」から。
・・・「鉄道局はとにかく予算が少ない。他の局から見れば鼻で笑われる規模だ」。今年初めて国土交通省鉄道局に配属された中堅キャリア官僚は言う。
総延長約2万キロ・メートルのJRを所管する鉄道局に割り当てられる予算は約1000億円。国交省全体の2%弱にすぎない。そのうち約800億円は、整備新幹線の建設費に充てられるため、在来線に使える金額は残された年間約200億円だ。JR東日本が28日公表した利用者の極めて少ないローカル線の赤字額は2019年度で693億円。鉄道局が在来線に割ける予算が、いかに限られた規模であるかが分かる。
一方、国交省の道路関係予算は毎年、予算全体の3割にあたる1・7兆円程度を確保し、道路整備に充てることができる。同じインフラ(社会資本)を扱うのでも予算額の桁が違う。総延長約128万キロ・メートルに及ぶ道路を管轄する国交省道路局の力の源泉となっている・・・