こども食堂3

子ども食堂2」の続きです。
近年、多様性(ダイバーシティ)の尊重が提唱されています。さまざまな事情を持った人たちが社会で活躍できるようにすることは、重要なことです。
この点に関して、湯浅誠著『つながり続けるこども食堂』(2021年、中央公論新社)に、次のような指摘があります。
「みんなちがって、みんないい」はよいことか。家族旅行に行くときに希望を聞いたら、父はハワイ、母は温泉、姉はディズニーランド、私はどこも行きたくない。では、みんなバラバラに行くのがよいのか。

これは困りますよね。湯浅さんは、多様性だけでは足りない、配慮が必要だと指摘します。その配慮は、英語ではインクルージョン(inclusion)で、包摂などと訳されますが、湯浅さんは「配慮」と訳します。
家族それぞれに希望が異なる行き先を、みんなで話を聞いて、配慮し合うことが必要です。みんなバラバラだけでは、困るのです。多様性と共同性を両立させるためには、各人の意尊重尊重とみんなでの配慮が必要です。

田村太郎さんは、ダイバーシティ(多様性)への配慮に関して、次のような指摘をしています。
「少数者(マイノリティ)への配慮」と言われるが、この言葉はおかしい。日本の人口では、女性の方が男性より多い。女性は少数者でなく、社会において男性より「劣位」におかれてきた。
そうですね。男性でも子育てや家族の介護・看護をする社員は「少数者」で、配慮されませんでした。